脇売り

  • URLをコピーしました!

 漁業界には「脇売り」と呼ばれる出荷方法があります(*1)。脇売りとは、漁師が「所属先の漁協」以外の経路で出荷することです(*1)。脇売りは、所属先の漁協にその事を報告すれば問題はないのですが、未報告は「漁業法(漁獲報告義務)違反」となります(*1)。未報告は違法行為であり、つまり未報告分は「ヤミ漁獲」となります。

 2023年2月青森県警は、青森県大間町の水産物卸業者の社長2人を漁業法(漁獲報告義務)違反容疑で逮捕・書類送検しました(*1)。容疑は、この社長2人が漁師22人らと共謀し、クロマグロ漁獲量の一部を県に報告していなかったというものです(*1)。同年3月10日、青森地検はこの社長2人を漁業法違反で起訴しました(*1)。

 2018年漁業法は改正されました。2018年12月「改正漁業法」(「漁業法等の一部を改正する等の法律」)が公布され、2020年12月に施行されました(*2)。

 ちなみに改正漁業法はアワビ、ナマコ、シラスウナギの3つを「特定水産動植物」に指定しました(*3)。改正漁業法では、許可、漁業権等に基づかずに特定水産動植物を採捕した者に対して、「3年以下の懲役」または「3,000万円以下の罰金」の罰則が科せられました(*3)。ただしシラスウナギ(13cm以下のウナギ)だけは遅れて、2023年12月から「特定水産動植物」になりました(*4)。特定水産動植物に関しては、個人消費目的での採捕も禁止されました(*4)。

<引用・参考文献>

*1 『週刊実話』2023年4月6日号「“漁業法違反”容疑で逮捕者も 相次ぐ「大間マグロ」のヤミ漁獲」, p45

*2 水産庁のサイト「水産政策の改革について」

https://www.jfa.maff.go.jp/j/kikaku/kaikaku/suisankaikaku.html

*3 水産庁のサイト「密漁を許さない ~水産庁の密漁対策~」

https://www.jfa.maff.go.jp/j/enoki/mitsuryotaisaku.html

*4 水産庁のサイト「特定水産動植物 密漁防止チラシ(一般向け)」

https://www.jfa.maff.go.jp/j/enoki/attach/pdf/mitsuryotaisaku-5.pdf

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次