公営ギャンブル(公営競技)では、中央競馬を除いて、開催者(施行者)は地方自治体でした(*1)。中央競馬の開催者は日本中央競馬会でした(*1)。この場合の開催者(施行者)は、言い換えると「賭場の開帳者」もしくは「胴元」になります。
公営ギャンブルは競馬(中央、地方)、競輪、オートレース、競艇(ボートレース)の4つで構成されていました(*2)。公営ギャンブルの収益源は、投票券の売上でした(*2)。競馬の投票券は「馬券」、競輪及びオートレースの投票券は「車券」、競艇の投票券は「舟券」と呼ばれました(*2)。
競艇の場合、勝舟投票券売上額の25%が控除され、残りの75%が勝舟予想的中者に配当されました(*3)。舟券は正式には「勝舟投票券」と呼ばれていました(*4)。舟券売上額の25%が、競艇開催者(施行者)側に入ったのでした。
開催者(施行者)は舟券売上額25%のうち約3%を、日本船舶振興会に納付しました(*5)。日本船舶振興会は1962年設立されました(*5)。1996年日本船舶振興会は「日本財団」に改称しました(*5)。
また競艇の開催者(施行者)は、施設会社に「施設賃借料」を払いました(*6)。施設賃借料金は「舟券売上額の4.5%」でした(*6)。住之江競艇場の場合、施設会社は住之江興業(南海電鉄の関連会社)でした(*7)。
住之江競艇の開催者(施行者)は「大阪府都市競艇組合」と「箕面市」でした(*8)。大阪府都市競艇組合は一部事務組合であり、池田市、豊中市、吹田市、寝屋川市、守口市、茨木市、高槻市、枚方市、東大阪市、八尾市、富田林市、堺市、泉大津市、岸和田市、貝塚市、泉佐野市の16市で構成されていました(*8)。
開催者(施行者)・箕面市の前身は、箕面・豊川競艇組合でした(*8)。箕面・豊川競艇組合は、箕面市と豊川村による一部事務組合でした(*9)。1956年豊川村は箕面市と合併しました(*9)。
住之江競艇の前身は大阪競艇でした(*8)。大阪競艇場は大阪府南河内郡狭山町(現在の大阪狭山市)にありました(*9)。先述の大阪府都市競艇組合は1952年、大阪競艇場で初開催をしました(*8)。2年後の1954年、箕面・豊川競艇組合が大阪競艇場で初開催をしました(*8)。大阪競艇場の施設会社は、大阪競艇施設株式会社(南海電鉄の関連会社)でした(*9)。
1955年頃、大阪競艇場は住之江競艇場(大阪市)に移転しました(*7)。1956年6月住之江競艇場で初のレースが開催されました(*9)。住之江競艇場の所在自治体の大阪市は、住之江競艇の開催者(施行者)ではありません。
2002年住之江競艇場において大阪府都市競艇組合の開催日数は108日、箕面市の開催日数は78日でした(*10)。
ちなみに公営ギャンブルの中で競艇は、3連単の当確率が最も高かったです。3連単とは、賭け式の一種で、「1~3着を順番に当てる」ものでした(*11)。競馬(18頭の場合)の3連単の通り数は4,896通り(18×17×16)、競輪(9人の場合)の3連単の通り数は504通り(9×8×7)、オートレース(8車の場合)の3連単の通り数は336通り(8×7×6)、競艇(6艇の場合)の3連単の通り数は120通り(6×5×4)でした(*11)。
競艇における八百長の一つとして「1号艇が意図的に4着以下になる」ものがありました(*12)。競艇は内枠が有利な競技でした(*13)。実力選手が最も内側の1号艇に乗れば、その勝率は8~9割ぐらいでした(*13)。
逆に「実力選手の1号艇」(大本命)が4着以下だった場合、言い換えると「実力選手の1号艇」が3連単から外れた場合、配当率は上がりました(*13)。先述したように競艇の場合、舟券(勝舟投票券)売上額の25%が控除され、残りの75%が舟券予想的中者に配当されました。「実力選手の1号艇が3連単から外れた場合」、舟券予想的中者の数は少ないです。「配当金を受け取る者(舟券予想的中者)の数」が少なくなれば、その配当率は上がります。
「1号艇が意図的に4着以下になる」という八百長が用いられた場合、3連単の通り数は60通り(5×4×3)になりました。先述したように、八百長のない場合、3連単の通り数は120通りでした。
<引用・参考文献>
*1 『公営競技史 競馬・競輪・オートレース・ボートレース』(古林英一、2023年、角川新書), p13-14
*2 『公営競技史 競馬・競輪・オートレース・ボートレース』, p12
*3 『住之江競艇の闇 大資本・南海VS場内売店騒動戦』(油上悦三、2009年、アットワークス), p20
*4 BOAT RACE オフィシャルウェブサイト 「用語辞典」内の「舟券」
https://www.boatrace.jp/owpc/pc/extra/enjoy/guide/jiten/28/y_236.html
*5 『住之江競艇の闇 大資本・南海VS場内売店騒動戦』,p24
*6 『住之江競艇の闇 大資本・南海VS場内売店騒動戦』,p37
*7 『住之江競艇の闇 大資本・南海VS場内売店騒動戦』,p33-34
*8 『住之江競艇の闇 大資本・南海VS場内売店騒動戦』,p18-19
*9 『公営競技史 競馬・競輪・オートレース・ボートレース』, p126-127
*10 『住之江競艇の闇 大資本・南海VS場内売店騒動戦』,p27
*11 『ラジオライフ』2016年8月号「合法ギャンブルを徹底分析」,p53
*12 『競艇と暴力団 「八百長レーサー」の告白』(西川昌希、2020年、宝島社),p111-113
*13 『競艇と暴力団 「八百長レーサー」の告白』,p104-105
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