テキヤ組織と暴力団排除条例

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 2010年以降、各都道府県で「暴力団排除条例」が施行されていきました(*1)。2011年10月において、全ての都道府県が暴力団排除条例を施行しました(*2)。暴力団排除条例は、一般人がヤクザ組織の構成員らと交際することを禁止するなど、一般人にも罰則を科しました(*2)。

 暴力団排除条例の施行以降、主要1次団体の構成員数は減少していきました。2014年までの数値では、山口組の構成員数は「15,200人」(2011年時)から「10,300人」(2014年時)、住吉会の構成員数は「5,600人」(2011年時)から「3,400人」(2014年時)、稲川会の構成員数は「4,000人」(2011年時)から「2,900人」(2014年時)、松葉会の構成員数は「1,100人」(2011年時)から「820人」(2014年時)、極東会の構成員数は「1,000人」(2011年時)から「800人」(2014年時)、と減少しました(*3)。暴力団排除条例がヤクザ組織を弱体化させたことが考えられます。

 上記の指定暴力団以外においても、暴力団排除条例の影響を受けたのがテキヤ組織でした(*4)。2020年現在、テキヤ組織において極東会のみが公安委員会より「指定暴力団」の指定を受けています。2011年時点においても、テキヤ組織において極東会のみが指定暴力団に該当しました(*3)。極東会以外のテキヤ組織は「非指定暴力団」のカテゴリーとして扱われます(*4)。

 2010年以降の暴力団排除条例は「非指定暴力団のテキヤ組織」にも活動制限を強いました(*4)。暴力団排除条例では、テキヤ組織による寺社内の敷地利用が禁じられました(*4)。また道路の利用も禁じされました(*4)。非指定暴力団のテキヤ組織の主な収益源は、高市(縁日や祭り)(*5)における露店商売です。暴力団排除条例の施行以降、非指定暴力団のテキヤ組織の活動に支障が生じたことは想像に難くありません。

<引用・参考文献>

*1 『教養としてのヤクザ』(溝口敦+鈴木智彦、2019年、小学館新書), p140-142

*2 『黒幕 巨大企業とマスコミがすがった「裏社会の案内人」』(伊藤博敏、2016年、小学館文庫), p353

*3 警察庁「平成23年の暴力団情勢」「平成24年の暴力団情勢」「平成25年の暴力団情勢」「平成26年の暴力団情勢」

*4 『溶けていく暴力団』(溝口敦、2013年、講談社+α新書), p87-89

*5 『ヤクザに学ぶ 伸びる男 ダメなヤツ』(山平重樹、2008年、徳間文庫), p155

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