南アフリカの高利貸業者

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 2015年時の南アフリカでは「マショニサ」と呼ばれる高利貸業者が活動していました(*1)。マショニサの貸出金利は法的金利より高く、マショニサはいわゆる「闇金業者」でした(*1)。マショニサの客として、南アフリカの鉱山労働者がいました(*1)。

 2010年代前半の南アフリカの鉱山では、ストライキが続出しました(*1)。結果、金鉱山の賃金は倍増しました(*1)。人件費の増加により、南アフリカの金鉱山経営は逼迫しました(*1)。ストライキの一つの要因として、マショニサへの借金返済に苦しむ鉱山労働者の存在が挙げられました(*1)。借金返済の為、鉱山労働者は賃金増を図り、意図的にストライキを行っていたと考えられます。

 2016年時点で南アフリカの金鉱産出量は145トンで、世界第7位でした(*2)。ちなみに2016年時点の世界第1位は中国で、金鉱産出量は453トンでした(*2)。21世紀まで南アフリカの金鉱産出量は世界第1位でした(*1)。しかし21世紀に入ると、南アフリカの金鉱産出量は減少しました(*1)。背景には、先述した人件費の増加等による生産コストの上昇がありました(*1)。

 マショニサは間接的ではありますが、南アフリカの金鉱山ビジネスを阻害していたのです。

<引用・参考文献>

*1 『週刊エコノミスト』2015年1月13日号「南アフリカ 金生産量低下の一因 高利貸対策へ」(伊津野智久), p64

*2 『データブック オブ・ザ・ワールド 2020年版 -世界各国要覧と最新統計-』(二宮書店編集部、2020年、二宮書店), p93

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