1960~1970年代メキシコでは、違法薬物の大麻の栽培が流行りました(*1)。背景には、隣国アメリカにおいて大麻の強い需要がありました(*1)。メキシコ産大麻には「アカプルコ・ゴールド」というブランド名が付いていました(*1)。「アカプルコ」はメキシコの有名ビーチリゾートの地名でした(*1)。1960年代アメリカの大麻利用者の間で「アカプルコ・ゴールド」は人気を博しました(*1)。
アメリカのリチャード・ニクソン大統領は1973年、麻薬取締局(DEA)を設立しました(*2)。DEAは麻薬生産国(密輸国)も巻き込み、違法薬物を取締りました(*2)。1976年メキシコ政府は「黄金の三角地帯」と言われる北部三州に兵士を派遣、大麻やケシの畑に除草剤を散布しました(*3)。北部三州はシナロア州、ドゥランゴ州、チワワ州のことを指します(*4)。北部三州は「違法薬物の生産地」として有名です(*4)。メキシコ政府の行動の背景には、DEAからの要請があったと考えられます。
<引用・参考文献>
*1 『メキシコ麻薬戦争 アメリカ大陸を引き裂く「犯罪者」たちの叛乱』(ヨアン・グリロ著、山本昭代訳、2014年、現代企画室), p62-63
*2 『メキシコ麻薬戦争 アメリカ大陸を引き裂く「犯罪者」たちの叛乱』, p68-72
*3 『メキシコ麻薬戦争 アメリカ大陸を引き裂く「犯罪者」たちの叛乱』, p76
*4 『メキシコ麻薬戦争 アメリカ大陸を引き裂く「犯罪者」たちの叛乱』, p35
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