テキヤ組織の親分(トップ)を表す言葉として庭主、帳元があります。
庭主は別名「世話人」とも呼ばれ、テキヤ組織の親分であると同時に、高市(タカマチ)の管理者でもありました(*1)。
高市とは、社寺の祭礼や縁日に仮設される露店市のことでした(*2)。高市のほとんどは、1年ごともしくは1カ月ごとに開催された定期門前市でした(*2)。庭主は高市における露店の配置権限を持っていました(*1)。
帳元は文字通り「露店商の帳簿を預かる責任者」という意味でした(*3)。帳元は、高市に出店する露店商の帳簿を預かり、記入しました(*3)。つまり帳元は「庭主の別名」だったのです(*3)。
<引用・参考文献>
*1 『ヤクザに学ぶ 伸びる男 ダメなヤツ』(山平重樹、2008年、徳間文庫), p157
*2 『盛り場の民俗史』(神崎宣武、1993年、岩波新書),p44
*3 『任俠 実録日本俠客伝②』(猪野健治、2000年、双葉文庫), p147
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