ヤクザ組織にとって覚醒剤販売は利益の大きい資金獲得業です。末端購入者(消費者)は覚醒剤に身体及び精神面から依存する為(*1)、結果購入を繰り返してしまいます。また覚醒剤を使用し続けていると、耐性ができ、前と同じ使用量では効用を得られにくくなります(*2)。1回の使用量が増えていきます(*2)。覚醒剤の末端売買においては、「販売側>購入側」という力関係があります。
末端では1パケ(約0.25g)1万円で販売されています(*3)。覚醒剤1回使用量は0.02~0.03gである為(*4)(実際は使用者の耐性ごとに変動する)、1パケは「10回分」の使用量に相当すると考えられます。1g(4パケ)売れば4万円の売上です。卸では1gが8,000円~1万円で取引されています(*3)。末端販売側は覚醒剤1gを1万円で仕入れ4万円で販売する為、3万円の利益を得ます。末端販売側の利益率は75%です。
<引用・参考文献>
*1 『薬物依存症』(松本俊彦、2018年、ちくま新書), p39-47
*2 『裏社会 噂の真相』(中野ジロー、2012年、彩図社), p223
*3 『日刊ゲンダイ』2014年10月21日号(20日発行)「溝口敦の斬り込み時評<187>」
*4 『日刊ゲンダイ』2016年2月23日号(22日発行), p15
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