テキヤ組織には昇進経路がありました。ちなみに男性しかテキヤ組織には入れませんでした(*1)。テキヤ組織において一番下に位置するのが「稼ぎこみ」でした(*1)。その上が「一本」でした(*1)。稼ぎこみと一本は、親分の下で活動する子分の立場でした(*1)。
稼ぎこみは、親分から商品を借りて、その商品を露店で販売しました(*2)。
一本には2種類ありました(*2)。1つは、一本が親分から商品と資本を借りて、露店で販売し、その「利益の半分」を親分に提供するというものでした(*2)。もう1つは、一本が自分の資本で親分から商品を1割高くらいで仕入れるものの、露店営業における利益を全て自分のものにできるというものでした(*2)。
一本の上が「実子分」で親分候補という位置づけでした(*1)。実子分の上が「一家名乗り」、その上が「代目」という立場でした(*1)。一家名乗りと代目は、自身のテキヤ組織を率いる親分の立場でした(*1)。
<引用・参考文献>
*1 『テキヤはどこからやってくるのか? 露店商いの近現代を辿る』(厚香苗、2014年、光文社新書), p141
*2 『テキヤのマネー学』(監修:仲村雅彦、取材・構成:高橋豊、1986年、東京三世社),p77
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