覚醒剤は製造過程で熱と悪臭を生む為、製造場所は露見しやすいです(*1)。1951年覚醒剤取締法が制定され、日本において製造、輸入、所持、使用等が禁止されました(*2)。1951年以降、日本国内で覚醒剤を密造することは困難になっていきました。日本国内で覚醒剤流通により資金獲得を図る勢力にとって、主な仕入れ経路は「海外からの密輸入」となりました。
「海外からの密輸入」の典型的な例として、航空便で人が覚醒剤を持ち運ぶ方法があります(*3)。スーツケースの二重底に隠す、身体に巻き付ける方法がありました(*3)。アフリカ観光の帰りを装い、コーヒー豆袋の中に覚醒剤を隠した者もいました(*4)。
国際スピード郵便や国際小口航空貨物を活用し覚醒剤を密輸する場合もあります。台湾人4人組が炭石鹸の中に覚醒剤を隠し、国際スピード郵便で台湾から日本に密輸していたことが2017年10月発覚しました(*5)。4人組は覚醒剤取締法違反の疑いで逮捕されました(*5)。別の件で2018年3月、カリフォルニア州から日本に国際小口航空貨物で送られた段ボール箱の荷物の中に覚醒剤が隠されていたことが発覚しました(*6)。荷物を受け取ったアメリカ人は覚醒剤取締法違反の疑いで逮捕されました(*6)。
<引用・参考文献>
*1 『極道のウラ情報』(鈴木智彦、2008年、宝島SUGOI文庫), p22-23
*2 『薬物とセックス』(溝口敦、2016年、新潮新書), p86-87
*3 『裏社会 噂の真相』(中野ジロー、2012年、彩図社), p202
*4 『日刊ゲンダイ』2018年4月25日号(24日発行), p7
*5 『日刊ゲンダイ』2017年11月1日号(10月31日発行)
*6 『日刊ゲンダイ』2018年3月29日号(28日発行), p7
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