分裂後、神戸山口組に加入した組織

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 2015年8月27日に山口組が分裂しから、1年が過ぎました。脱退側で結成された神戸山口組の傘下組織(2次団体)は、当初13団体でした。しかし2016年8月時点で、24団体にまで増加しています(*1)。分裂以降も、11団体が加わったことから、新組織結成後勢いが衰えていないことが窺えます。

 山口組からの直接移籍組として、2次団体クラスでは、東生会(大阪市淀川区、2015年10月移籍)、熊本組(岡山県玉野市、2015年11月移籍)、古川組(兵庫県尼崎市、2015年12月移籍)の3団体があります(*2)。東生会は、2015年9月5日山口組から須ノ内祥吾会長が除籍処分になった後に、翌10月に神戸山口組に加入しました(*3)。東生会は、除籍処分から時間が経っていないので、直接移籍と捉えました。

 3次団体クラスで直接移籍した組織として、山川組(茨城県石岡市、2015年12月移籍)、木村會(愛媛県松山市、2016年2月移籍)、五龍会(北海道札幌市、2016年7月加入)があります(*2)。移籍前の山川組の上部団体は國領屋一家(山口組2次団体、静岡県浜松市)、木村會の上部団体は大同会(山口組2次団体、鳥取県米子市)、五龍会の上部団体は誠友会(山口組2次団体、北海道札幌市)でした。山川組の場合、國領屋一家を脱退した勢力が「組織の新名称」として山川組と名乗るようになりました(*2)。五龍会は、2015年11月30日誠友会から除籍処分になっていますが、除籍処分から時間が経っていないので、直接移籍と捉えました(*2)。移籍された側の2次団体(國領屋一家、大同会、誠友会)としては、上納金を提供してくれる団体が1つ減ったので、経済的に苦しくなります。

 分裂以降の直接移籍組は計6団体(東生会、熊本組、古川組、山川組、木村會、五龍会)です。直接移籍という形態なので、移籍組の組織勢力が削がれずに、神戸山口組に加わっています。

 あとはヤクザ業界復活組として、英組(東京都、2015年10月加入)、澄田会(大阪市港区、2015年10月加入)、太田興業(大阪市浪速区、2015年12月加入)、があります。この3団体のトップは、「山口組2次団体の長」の経験者であり、その後山口組から絶縁・除籍処分を受けています。英組の藤田恭道組長は、2014年3月3日山口組から絶縁処分を受け、ヤクザ業界を追放されていました(*4)。澄田会の竹森竜治会長は、2012年9月20日山口組から除籍処分を受けています(*4)。太田興業の太田守正会長は2008年10月20日山口組から除籍処分を受けて、引退していました(*4)。しかし英組に関しては、藤田恭道の絶縁処分後、旧英組の勢力を引き継いだ朋友会(大阪市西成区)が山口組2次団体として存在しています(*5)。太田興業の場合も、太田守正の除籍処分後、旧太田興業の勢力を引き継いだ秋良連合会(大阪市浪速区)が山口組2次団体として存在しています(*6)。澄田会においては、組織として「3年の空白期間」があります。以上の3団体に関しては、「山口組2次団体時代の勢力」は有していないと推測されます。

 また3次団体クラス組長の復活組として、中野組(大阪府堺市、2016年1月加入)があります。中野組のトップは小嶋恵介です。小嶋恵介は山口組2次団体中野組(活動拠点は大阪府堺市)で若頭を務めていた人物です(*2) (*7)。2008年12月19日に、中野組トップの中野雅己が引退するに伴い、中野組は解散しました(*7)。小嶋恵介はその後、ヤクザ社会から引退していました。しかし神戸山口組に参加するに伴い、小嶋恵介ヤクザ社会に現役復帰を果たしました。

 誠会(東京都、2015年10月加入)もあります。誠会のトップは、過去に山口組2次団体として活動していたテキヤ組織・小車誠会本家の特別相談役などを務めていた安岡俊蔵です(*2)。小車誠会本家は、当時トップの川口和慶が2011年9月29日山口組から除籍処分を受け、組織は解散に至ります(*4)。安岡俊蔵がどれだけの旧小車誠会本家の勢力を引き連れているのかは不明です。しかし「4年の空白期間」があるだけに、旧小車誠会本家の勢力の大半は取り込めていないと推測されます。

<引用・参考文献>

*1 『最新ビジュアルDX版! 山口組分裂「六神抗争」365日の全内幕』(宝島特別取材班編、2016年、宝島社), p16-17

*2 『最新ビジュアルDX版! 山口組分裂「六神抗争」365日の全内幕』, p155-159

*3 『密着!ビジュアル決定版 山口組 分裂抗争の全軌跡』(別冊宝島編集部編、2016年、宝島社), p92

*4 『六代目山口組10年史』(2015年、メディアックス), p231-238

*5 『六代目山口組10年史』, p89

*6 『六代目山口組10年史』, p68

*7 『六代目山口組10年史』, p106

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