ニュージーランド警察は廃水検査の結果から、2021年第2四半期(4~6月)ニュージーランド全体で、覚醒剤のメタンフェタミン(Methamphetamine)は12.2kg、MDMAは3.1kg、コカイン(Cocaine)は0.8kgの使用(週平均)があったと推測しています(*1)。3つの違法薬物の合計kgは16.1になります。重量ベースの割合ではメタンフェタミンの割合は76%になります。倍率で見ると、メタンフェタミンの重量は「MDMAの3.9倍」「コカインの15.2倍」になります(小数第二位切り捨てで計算)。またMDMAの場合、「コカインの3.8倍」の重量になります(小数第二位切り捨てで計算)。
金額面に直すと同時期(2021年第2四半期)、メタンフェタミンは約7,300万NZドル、MDMAは約800万NZドル、コカインは約400万NZドルの収益(売上)が違法流通によって発生したと推測されています(*1)。2021年第2四半期において、メタンフェタミンの密売組織は約7,300万NZドルのいくらかを得たことが考えられます。日本円(1NZドル=80円)に直すと、約7,300万NZドルは「約58億4,000万円」になります。3つの違法薬物の合計金額は約8,500万NZドルになります。金額ベースの割合ではメタンフェタミンの割合は86%になります。
*NZドルは「ニュージーランドドル」の略。現在(2022年2月24日)1NZドル = 77.56円
重量ベースの前年同期を見てみましょう。2020年第2四半期(4~6月)ニュージーランド全体で、メタンフェタミンは9.9kg、MDMAは7.1kg、コカインは0.1kgの使用(週平均)があったと推測されています(*2)。また同時期、フェンタニルの使用も少量あったと報告されています(*2)。3つの違法薬物(フェンタニルを除く)の合計kgは17.1になります。重量ベースの割合ではメタンフェタミンの割合は58%になります。倍率で見ると、メタンフェタミンの重量は「MDMAの1.3倍」「コカインの99倍」になります(小数第二位切り捨てで計算)。またMDMAの場合、「コカインの71倍」の重量になります。
近年のニュージーランドの違法薬物市場ではメタンフェタミンが主に流通していることが考えられます。
<引用・参考文献>
*1 ニュージーランド警察サイト
「ニュージーランド 廃水薬物検査・全国の概要-2021年第2四半期調査結果」(英語表記:Wastewater Drug Testing in New Zealand: National Overview Quarter Two 2021)
https://www.police.govt.nz/sites/default/files/publications/wastewater-results-quarter-2-2021.pdf
*2 ニュージーランド警察サイト
「ニュージーランド 廃水薬物検査・全国の概要-2020年第2四半期調査結果」(英語表記:Wastewater Drug Testing in New Zealand: National Overview Quarter Two 2020)
https://www.police.govt.nz/sites/default/files/publications/wastewater-results-quarter-2-2020.pdf
コメント