1984年以降のニュージーランドにおけるストリートギャングとマリファナ

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 1984年以前のニュージーランドにおいてアウトロー組織は違法薬物ビジネスに本格的には参入していませんでした(*1)。しかし1980年代後半からアウトロー組織による違法薬物ビジネスが目立ち始め、1990年代そのビジネス規模はさらに大きくなりました(*1)。

 背景にはニュージーランドの表経済の変化がありました。1984年労働党が政権に就き、経済の大改革を行いました(*2)。改革の結果、1990年初期ギズボーン地方(北島の東海岸)、ベイ・オブ・プレンティ地方(北島)の失業率は約10%となりました(*1)。両地方の小さいコミュニティでは失業率はさらに高くなりました(*1)。

 地方の小さいコミュニティでは違法領域ビジネスが盛んになっていきました(*1)。ストリートギャングの「ブラック・パワー」(Black Power)、「マングレル・モブ」(Mongrel Mob)は、そのコミュニティに入り込んでいきました(*1)。ストリートギャングはマリファナ用大麻草の栽培、またはマリファナを仕入れ、コミュニティ内でマリファナを流通させていきました(*1)。

<引用・参考文献>

*1 『Patched: The History of Gangs in New Zealand』(Jarrod Gilbert,2021,Auckland University Press), p182-184

*2 『データブック オブ・ザ・ワールド 2022年版 -世界各国要覧と最新統計-』(二宮書店編集部、2022年、二宮書店), p467

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