一般的にバイカーギャングは組織内に「規則」(the rules)を設けています(*1)。規則なしにバイカーギャングは機能しないといわれてきました(*1)。規則を破った構成員は組織からの追放、罰金などの処分対象となります(*2)。基本的に構成員は3年間で「5回の罰点」まで許容されています(*2)。つまり3年間で6回以上の罰点を受けた構成員は組織から脱退を余儀なくされます(*2)。定例会議(通称「Church」)(*3)中に違法薬物を使用した等の違反で、罰金は課されます(*2)。
日本のヤクザ組織の場合、トップもしくは最高実力者による「人治主義」で組織が支配されている面があります。対してバイカーギャングの場合は「法治主義」の面がある模様です。オーストラリアのバイカーギャングの多くは「ヘルズ・エンジェルス」(Hell’s Angels)の規則を参考にし、自身の規則を作ってきました(*1)。ヘルズ・エンジェルスはアメリカ合衆国系バイカーギャングです
ダーウィン(Darwin:準州ノーザンテリトリー)では「ブロンクス」(Blonks)というバイカーギャングが活動していました (*4)。ブロンクスの規則には、入会内容も含まれていました。まずブロンクス入会希望者は全ての打ち合わせに参加すること、また週ごとに5豪ドルを支払うことが求められました(*4)。以上の課題を果たせば、希望者はブロンクスの「プロスペクト」(prospect)もしくは取り巻き(hanger on)になれました(*4)。
<引用・参考文献>
*1 『The Brotherhoods: Inside the Outlaw Motorcycle Clubs』(Arthur Veno,2009,Allen & Unwin), p86
*2 『The Brotherhoods: Inside the Outlaw Motorcycle Clubs』, p89
*3 『Biker Gangs and Transnational Organized Crime Second Edition』(Thomas Barker,2014,Routledge), p99
*4 『The Brotherhoods: Inside the Outlaw Motorcycle Clubs』, p87-88
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