5月10日のコマンチェロズ最高幹部銃撃事件

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 今年5月10日20時頃、オーストラリアの西シドニー郊外のジムで銃撃事件がありました(*1)。銃撃されたのはバイカーギャング「コマンチェロズ」(Comancheros)のタレク・ザヒド(Tarek Zahed)と彼の弟でした(*1)。タレク・ザヒドはコマンチェロズでは、オーストラリア全体(national)の「衛視長」(sergeant-at-arms)という役職にいました(*1)。いわばタレク・ザヒドは最高幹部クラスの人物なのです。銃撃によりタレク・ザヒドは重傷を負い、彼の弟は死亡しました(*1)。

 コマンチェロズは地元オーストラリア発祥のバイカーギャングです(*2)。コマンチェロズは2012年時点で15支部、約150人の構成員を擁していました(*2)。単純に構成員数を支部数で割ると、1支部あたり約10人の構成員が活動しています。コマンチェロズは自身の「関連バイカークラブ」を抱えており、関連バイカークラブのメンバーからコマンチェロズのメンバーを選出していました(*2)。

 タレク・ザヒドは2012年頃、コマンチェロズに入りました(*1)。タレク・ザヒドは現在海外逃亡しているオーストラリア・コマンチェロズ前トップ(事件当時)のマーク・バドル(Mark Buddle)の側近でした(*1)。現職オーストラリア・コマンチェロズのトップ(事件当時)であるミック・マレイ(Mick Murray)は殺人の疑いで逮捕されてからは、タレク・ザヒドがミック・マレイに代わり次期トップに就くという情報が流れていました(*1)。

<引用・参考文献>

*1 ABC NEWSサイト「How Sydney’s ‘Balenciaga bikie’ Tarek Zahed and his brother became the city’s latest underworld targets」(Heath Parkes-Hupton,2022年5月11日)

*2 『The Brotherhoods: Inside the Outlaw Motorcycle Clubs』(Arthur Veno,2012,Allen & Unwin), p71

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