バイカーギャングには「カラーズ」(colours)という言葉があります。カラーズとは、組織専用ワッペンのことです(*1)。組織専用ワッペンは別名「パッチ」(patch)と呼ばれます(*2)。カラーズは袖なしレザーもしくはデニムベストに縫い付けられ、カラーズ付の上着は「カット」(cut)と呼ばれました(*2)。バイカーギャングでは、定例会出席時やバイク乗車時においてカットの着用が構成員に義務付けられていました(*2)。
カラーズを紛失してしまった構成員は、追放処分の対象になりました(*1)。
カラーズは「組織の象徴」である為、一般人には恐怖の対象です。ゆえに特定の場所でのカット(カラーズ付の上着)着用禁止を命じる地方自治体があり、今後も地方自治体によるカット着用禁止命令は増えていくと考えられています(*3)。
しかしバイカーギャングの中にはカラーズを持たない組織もあります。「ノー・ルール・ライダーズ」(No Rule Riders)、「ノー・ネーム・ライダーズ」(No Name Riders)の2組織は、バイカーギャングですが、カラーズを持ちませんでした(*4)。
<引用・参考文献>
*1 『Outlaws: Inside the Hell’s Angel Biker Wars』(Tony Thompson,2012,Hodder Paperback),p367
*2 『Biker Gangs and Transnational Organized Crime Second Edition』(Thomas Barker,2014,Routledge), p9-10
*3 『Biker Gangs and Transnational Organized Crime Second Edition』, p43
*4 『The Brotherhoods: Inside the Outlaw Motorcycle Clubs』(Arthur Veno,2012,Allen & Unwin), p56
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