バイカーギャングは支部内で罰金(fine)制度を設けていました(*1)。アメリカ合衆国系バイカーギャングの「ペイガンズ」(Pagans)では、違反者(集団走行の欠席、定例会議の遅刻等)は罰金を科されました(*1)。罰金制度は組織内の規律を引き締める装置であったのに、加えて「集金装置」でもありました(*1)。
通常バイカーギャングは会費(いわゆる上納金:membership dues)を構成員から徴収していました(*1)。イギリスのバイカーギャングでは会費額は平均で月額25ポンド(1人につき)ぐらいでした(*1)。支部構成員数の上限は通常 24人です(*2)。収監中の構成員は会費の支払いは免除されました(*1)。構成員数上限の24人擁する支部(社会不在者なし)では、単純に計算すると、毎月600ポンド(25ポンド×24人)が徴収されることになります。ちなみに現在(2022年12月20日現在)1ポンド=約160円です。
一方、イギリスのバイカーギャングでは罰金額は5ポンドから数百ポンドまでとなっていました(*1)。罰金徴収額が会費徴収額を上回った月も多々あったと考えられています(*1)。罰金額は違反内容によって異なりましたが、「違反者の支払い能力」によっても決まりました(*1)。裕福な構成員が違反した場合は、裕福でない構成員が違反した場合よりも、罰金が多く課されました(*1)。
徴収金の多くは合法事業の投資、中古車・中古バイクの購入にあてられました(*1)。
<引用・参考文献>
*1 『Outlaws: Inside the Hell’s Angel Biker Wars』(Tony Thompson,2012,Hodder Paperback), p95-96
*2 『The Brotherhoods: Inside the Outlaw Motorcycle Clubs』(Arthur Veno,2009,Allen & Unwin), p80-81
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