テキヤ組織がミカジメ料を徴収する方法の1つとして、熊手販売がありました(*1)。酉(とり)の市の時期(11月)にテキヤ組織は地域の飲食店に熊手を販売しました(*1)。
例えばテキヤ組織は、定価3,000円の熊手を、3~4万円で販売したとします。その差額の2万7千円~3万7千円がテキヤ組織の「ミカジメ料」になるという仕組みです。
テキヤ組織の露店商は、露店を撤収するのと同時に、周辺の掃除を行いました(*2)。露店商はゴミ収集車を自ら手配して、竹ぼうきや熊手で掃除を徹底的にしました(*2)。テキヤ組織にとって、熊手は多方面で使われていた道具だったのです。
東京都では11月の酉の日に、大森、目黒、新宿、浅草などで酉の市が同時に開かれました(*3)。一方、埼玉県では12月に熊手市が順次開かれました(*3)。
<引用・参考文献>
*1 『日刊ゲンダイ』「今どきの暴力団 偽装みかじめ料の実態」2017年9月28日号(27日発行)
*2 『テキヤはどこからやってくるのか? 露店商いの近現代を辿る』(厚香苗、2014年、光文社新書), p35
*3 『間道 – 見世物とテキヤの領域』(坂入尚文、2006年、新宿書房),p245-246
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