覚醒剤の消費者価格は固定的です。覚醒剤は0.2~0.3gに小分けされ、消費者に販売されています(*1) (*2) (*3)。資料によって販売価格は若干異なります。「0.2g=1万5,000円」とい価格設定があれば(*1)、「0.25g=1万円」(*2)や「0.3g=1万円」 (*3)という価格設定もあります。
「0.2g=1万5千円」の消費者価格の資料では、卸売りで覚醒剤は「100g=130~150万円」で取引されています(*1)。大口売人は、小口売人に「10g=20万円前後」で販売します(*1)。大口売人が覚醒剤1㎏を卸から「100g=150万円」で仕入れ、小口売人達に「10g=20万円」で1kgを売り切ったとします。大口売人の覚醒剤1㎏の仕入れ価格は1,500万円、売却価格は2,000万円、利益は500万円です。
小口売人が覚醒剤1㎏を大口売人から「10g=20万円」で仕入れ、消費者に「0.2g=1万5,000円」で1kgを売り切ったとします。小口売人の覚醒剤1㎏の仕入れ価格は2,000万円、売却価格は7,500万円、利益は5,500万円です。大口、小口売人ともに覚醒剤の利益率が高いことが分かります。
消費者の1回使用量(作用時間:約2時間)は「0.02~0.03g」です(*4)。小分けを1つ買えば、約10回分使用できる計算です。しかし覚醒剤常用者は耐性ができ、使用量増加に至ります(*5)。覚醒剤を購入する機会が増えていきます。
<引用・参考文献>
*1 『裏社会 噂の真相』(中野ジロー、2012年、彩図社), p205-206
*2 『日刊ゲンダイ』2014年10月21日号(20日発行)「溝口敦の斬り込み時評<187>」
*3 『日刊ゲンダイ』2016年2月16日号(15日発行)「溝口敦の斬り込み時評<245>」
*4 『日刊ゲンダイ』2016年2月23日号(22日発行), p15
*5 『裏社会 噂の真相』(中野ジロー、2012年、彩図社), p223
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