ノミ屋では公営ギャンブルを活用した賭博サービスが提供されます。ノミ屋の存在は違法です。またノミ屋を利用することも違法です(*1)。ノミ屋は公営ギャンブル開催者と同様、胴元の役割を果たします。ノミ屋は客から買い目と金額を電話で受け付け、当たった客に配当金を渡します(*1)。客は馬券や車券という券を購入する必要はなく、外れた場合、後日ノミ屋に賭け金を渡します(*1)。配当金も後日、ノミ屋にから客に渡されます(*1)。
ノミ屋の配当率は、公営ギャンブル開催者の配当率を参照にしています(*1)。しかしノミ屋は控除率が公営ギャンブル開催者に比し低いので、配当率は高くなります(*1)。公営ギャンブル開催者の窓口において正式購入した場合、客が大穴狙いで多額の賭け金を投入すると、配当率の計算式により、配当率は下がります(*2)。しかしノミ屋の場合、多額の賭け金を投入しても、配当率は下がりません(*1)。ノミ屋の配当率は、公営ギャンブル開催者の配当率を参照にするものの、固定的にしているのだと推測されます。大穴狙いで儲けたい客にとって、ノミの存在は有難いです。
ノミ屋はレース結果によって、客に多額の配当金を渡す場合がある為、配当金の上限を 設定しています(*3)。また中小規模のノミ屋は、多額の賭け金が投入された場合、配当金の支払いを大規模なノミ屋に頼ることもあるようです(*3)。
また喫茶店がノミ屋の「中継胴」になる場合もありました(*4)。中継胴の喫茶店は「ノミ屋の営業所」として機能していた訳です。ノミ屋は「利益の2割」を中継胴に払っていたようです(*4)。
<引用・参考文献>
*1 『現代ヤクザ大事典』(実話時代編集部編、2007年、洋泉社), p192
*2 『オッズキングダム オッズで勝つ!極上馬券GETまでのセオリー』(大谷清文・奥野憲一・互當穴ノ守、2018年、ガイドワークス), p94-95
*3 『裏経済パクリの手口99』(日名子暁、1995年、かんき出版), p102-103
*4 『ミナミの帝王 パクリと詐欺の超手口』(郷力也・天王寺大編著、藤原義恭監修、1997年、日本文芸社),p134
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