ノミ屋では「負けた客への払戻金」は、オチと呼ばれていました(*1)。一部のノミ屋がオチ(負けた客への払戻金)を実施していました(*1)。ノミ屋において「投票券1枚」は100円でした(*1)。オチは「1枚(100円)につき10円」でした(*1)。例えばノミ屋で投票券10枚(1,000円)買ったものの、全て外れた客に対し、一部のノミ屋はオチとして100円を払い戻しました(*1)。
また「投票券の総購入額」の1割を払い戻すことも、オチと呼ばれました(*2)。例えば、ある客(A氏)がノミ屋で投票券10万円を購入したとします。結果、その客は5万円分、勝つことができました。
ノミ屋の営業日は、概ね土曜日と日曜日でした(*2)。一般的に、「ノミ屋から客への支払い」期限は翌週火曜日の午前中、一方「客からノミ屋への支払い」期限は翌週金曜日の午前中でした(*3)。
上記の客(A氏)は、オチがなければ、ノミ屋に差額の5万円を、翌週金曜日の午前中までに支払いました。
先述したようにオチとは、「投票券の総購入額」の1割を払い戻すことでした。A氏の投票券の総購入額は10万円だった為、その1割は1万円になりました。
ノミ屋はA氏にオチとして1万円を払い戻さなければなりません。この場合、A氏が「オチの1万円」を引いて、ノミ屋に支払えば、精算がされました。A氏は4万円(5万円-1万円)をノミ屋に翌週金曜日の午前中までに支払いました。
<引用・参考文献>
*1 『親分 実録日本俠客伝①』(猪野健治、2000年、双葉文庫), p198-199
*2『別冊宝島Real 037号 現代ヤクザのシノギ方』(夏原武編著、2002年、宝島社),p121-122
*3 『別冊宝島Real 037号 現代ヤクザのシノギ方』,p123
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