メキシコの麻薬密輸組織(カルテル)(*1)の縄張りを指す言葉として、「プラサ」があります(*2)。プラサは、メキシコとアメリカの国境近くのメキシコ領内 (*2)、南のカリブ海沿岸(*3)、中部マドレ山脈の高地に存在します(*3)。
違法薬物の輸送役は、プラサを通過する際、プラサを支配するカルテルに手数料を支払わなければなりません(*2)。カルテルは違法薬物の密輸業者である一方(*3)、プラサ内の「麻薬密輸ルート」を他組織に使用させることでも利益を得ているのです。カルテルがプラサを通過しようとする他組織の運び屋を全て捕まえ、違法薬物を全て没収することは、労力を要します。
しかし通過を見過ごす代わりに、手数料を徴集する方法であれば、労力は少なくて済みます。「プラサ」という言葉は1970年代から、アメリカ国境の街で使われ出しました(*3)。
<引用・参考文献>
*1 『メキシコ麻薬戦争 アメリカ大陸を引き裂く「犯罪者」たちの叛乱』(ヨアン・グリロ著、山本昭代訳、2014年、現代企画室), p91
*2 『メキシコ麻薬戦争 アメリカ大陸を引き裂く「犯罪者」たちの叛乱』, p199
*3 『メキシコ麻薬戦争 アメリカ大陸を引き裂く「犯罪者」たちの叛乱』, p81
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