メキシコ麻薬カルテルにおいて麻薬密輸以外の違法領域ビジネスとして、海賊版CD、DVD、コンピューターゲームの販売があります(*1)。メキシコでは正規版映画DVDは、約20米ドルで消費者向けに販売されています(*1)。1米ドル=100円とすると、約2,000円で正規版DVDが販売されています。一方、海賊版DVDは約2米ドルで消費者向けに販売されています(*1)。つまり約200円で海賊版DVDが販売されています。
正規版との価格差により、海賊版DVDが一定の需要を持っていることが推測されます。メキシコ麻薬カルテルのセタスは、海賊版DVDを1本80米セントで、市場の露店主に卸しています(*1)。1米ドル=100米セントなので、80米セントは0.8米ドルになります。市場の露店主は、1本約80円で海賊版DVDを仕入れていることになります。市場の露店主の利益(海賊版DVD1枚)は、約120円(売上200円-仕入80円)となります。
<引用・参考文献>
*1 『メキシコ麻薬戦争 アメリカ大陸を引き裂く「犯罪者」たちの叛乱』(ヨアン・グリロ著、山本昭代訳、2014年、現代企画室), p374
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