新型コロナウイルス感染症の拡大により、ヤクザ組織の活動も停滞している模様です。顕著に認められるのが、山口組と神戸山口組との抗争です。1月7より日両団体は「特定抗争指定暴力団」に公安委員会から指定されました(*1)。両団体は定められた「警戒区域」内において、組員5人以上の集合、組事務所の新設等を禁じられました(*2)。
以降も「両団体の抗争」の一環と思われる事件が起きました。1月14日群馬県桐生市における弘道会組員射殺事件(*3)、2月3日山口組若頭・髙山清司の自宅(三重県桑名市)に対する発砲事件がありました(*3)。
しかし以降4月現在まで表立った抗争は起きていません。両団体とも新型コロナウイルス感染症による人的被害を避ける為、組織活動を自ら制限していると考えられます。他のヤクザ組織も同様に、組織活動を制限していると考えられます。
ヤクザ組織の懸念として、資金獲得活動の停滞があります。ヤクザ組織は繁華街の風俗店や接待飲食店等からミカジメ料を徴収しています(*5)。人々が外出を控える傾向にある中、風俗店や接待飲食店等の売上は減少していると考えられます。風俗店や接待飲食店等はミカジメ料を払えない可能性があります。繁華街の裏カジノも集客に苦労していると考えられます。
表経済が不況下に入った現在、フロント企業に行わせている労働者派遣業(*6)や土建業も苦境に陥っていると考えられます。祭も中止の為、露店商売にも支障が生じています。テキヤ組織の活動も停滞していると考えられます。
経済的に困った一部組員が窃盗に走る可能性もあります。ヤクザ組織のトップは組織の統治に苦労していると考えられます。
<引用・参考文献>
*1 『週刊実話』2020年1月30日号, p32-33
*2 『週刊実話』2020年1月23日号, p32-33
*3 『週刊実話』2020年2月13日号, p32-33
*4 『週刊実話』2020年2月27日号, p36
*5 『裏経済パクリの手口99』(日名子暁、1995年、かんき出版), p114-117
*6 『ヤクザをやめて20年!ずっと年収1億超を続ける「栃木のアニキ」29の教え』(ひのえ太郎、2013年、山中企画 出版部), p86
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