博徒組織の賭場には「テラ箱」がありました(*1)。テラ箱とは「テラ銭の入った箱」を指しました(*1)。テラ銭(寺銭)とは、胴元(賭博の主催者)が客から徴収する手数料のことでした(*2)。博徒組織の賭場においてテラ銭の割合(控除率)は概ね「五分」(5%)といわれていました(*2)。
毎回の勝負の後、合力(賭博ゲームの進行係)(*3)がテラ銭をテラ箱に入れていました(*1)。
テラ箱には鍵が掛けられており、貸元がテラ箱の鍵を持っていました(*1)。おそらくテラ箱は、鍵を用いないと、中の金を取り出せない構造になっていたと考えられます。博徒組織の若い者は、賭博開催日の翌日、テラ箱を貸元に持って行きました(*1)。賭場の最高責任者である代貸(*4)もテラ箱を開けることはできなかったことが窺えます。
<引用・参考文献>
*1 『ヤクザの世界』(青山光二、2000年、ちくま文庫), p144-145
*2 『現代ヤクザ大事典』(実話時代編集部編、2007年、洋泉社),p195
*3 『ヤクザ大辞典』(山平重樹監修、週刊大衆編集部編・著、2002年、双葉文庫), p115
*4 『現代ヤクザ大事典』(実話時代編集部編、2007年、洋泉社), p17
コメント