ヤクザ組織の構成員は「投資家」

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 ヤクザ組織の元構成員だった懲役太郎氏によれば、ヤクザ組織の構成員は合法ビジネスの「事業主」になりません(*1)。ヤクザ組織の構成員は「金を出す」ことにより、合法ビジネスに関与します(*1)。

 過去においてヤクザ組織は合法ビジネスをしていました。テキヤ組織は露店商売を主な資金獲得源としていた為、基本的に「正業」を営む集団ともいえました。1915年(大正四年)結成時の山口組は「港湾荷役業」の組織でした(*2)。

 しかし現在のヤクザ組織の構成員は合法ビジネスに直接的に関与せず、出資という形つまり「間接的」に関与します(*1)。合法ビジネスという場において、ヤクザ組織の構成員は「投資家」の性格に近いです。ヤクザ組織の構成員の特徴として、「暴力行使」へのハードルが低いことがあります。暴力の容易な行使により、ヤクザ組織の構成員は逮捕されやすく、「社会不在」しやすいという短所を常に抱えます。

 「金の回収」場面においては、一転、暴力行使は「武器」となります。出資を受けた者にとって、「暴力行使の可能性がない出資者」よりも「暴力行使の可能性がある出資者」の方が脅威に感じます。「暴力行使」という選択肢の有無だけで、金の回収スピードが変わってきます。ヤクザ組織の構成員の資質は「投資家」向きとも考えられます。

<引用・参考文献>

*1 『塀の中の元極道 YouTuberが明かす ヤクザの裏知識』(懲役太郎、2020年、宝島社), p79-80

*2 『山口組の100年 完全データBOOK』(2014年、メディアックス), p14-15

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