規模に関わらず、どのヤクザ組織にも「親分」がいます。親分以外の構成員は基本的には、「舎弟」「子分」に位置付けられます。一定の構成員を抱える組織であれば、親分は「1人」であり、一方舎弟や子分は「複数人」です。同じ組織の「子分同士」は「ノレン兄弟」と呼ばれます(*1)。
ノレン兄弟に対し、「呑み分け兄弟」という言葉があります(*1)。呑み分け兄弟とは、組織が異なる2人が「兄弟盃を交わす」ことで結ばれた関係のことです(*1)。呑み分け兄弟には、「五分兄弟盃」による対等関係の兄弟もいれば、「兄舎弟盃」による上下関係の兄弟もいます(*1)。
ノレン兄弟の場合、建前上、子分同士は対等関係にあります(*1)。若頭は「長男格」として位置づけられています(*1)。しかし若頭は他の構成員を「弟」としてではなく、「対等の兄弟」として扱うことが求められます(*1)。実際は子分間に「役職」による序列が存在しますので、関係が対等ではありません。
<引用・参考文献>
*1 『現代ヤクザ大事典』(実話時代編集部編、2007年、洋泉社), p91
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