ヤクザ組織の収入源の1つに、飲食店における代金回収がありました(*1)。「ツケ」つまり未払い金をヤクザ組織が「店側の代理人」として回収しました。
店側がヤクザ組織に依頼するメリットとして①回収率の高さ、②早期回収があったと考えられます。ヤクザ組織は「暴力装置」(暴力行使をいとわない構成員ら)を有する為、未払いの客に圧力を加えることができ、回収率は高かったと考えられます。
代金回収の別の選択肢としては、裁判を通じて決着をつけることがありました(*1)。しかし裁判で決着をつける場合、数年~十年の時間を要しました(*1)。店側にとっては、裁判の場合、時間がかかり過ぎました。
一方、ヤクザ組織に依頼すれば、早期に代金は回収されました。ヤクザ組織の取り分は「代金の半額」でした(*1)。100万円の未払い金の場合、ヤクザ組織が回収したら、50万円がヤクザ組織の取り分でした。
<引用・参考文献>
*1 『裏経済パクリの手口99』(日名子暁、1995年、かんき出版), p130-131
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