アメリカの企業により販売されている拳銃(例:スミス&ウェッソン)には、製造番号が付けられています(*1)。製造番号から「購入者」が判明します(*1)。ヤクザ組織の抗争で用いられた拳銃においても、警察当局が使用拳銃を確保できれば、製造番号から入手先を調べることができます。しかし購入者がすでに死亡している場合、「拳銃の移動履歴」の解明が困難になります。
一方、密造拳銃には製造番号はないと、考えられます。密造拳銃業者にとって、入手先が把握される製造番号は必要ないからです。かつてフィリピンのマニラ近郊に密造拳銃工場がありました(*2)。ヤクザ組織にとって、マニラ近郊の密造拳銃工場は「拳銃の仕入れ先」でした(*2)。密造拳銃の特長の1つとして、警察当局の手に渡っても、入手先が把握されにくいことがあったと考えられます。
<引用・参考文献>
*1 『日刊ゲンダイ』2020年6月11日号(10日発行), p5
*2 『ヤクザ1000人に会いました!』(鈴木智彦、2012年、宝島SUGOI文庫), p62-63
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