ミシシッピ州ビクロシ市のアウトロー組織

  • URLをコピーしました!

   アメリカ合衆国南部のミシシッピ州ビクロシ市を拠点に活動するアウトロー組織として「ディキシー・マフィア」が知られています(*1)。現在もディキシー・マフィアはアメリカ南部を活動範囲とし、活動しています(*1)。ディキシー・マフィアは1960年代後半、強盗や窃盗等で活動する者達の組織として結成されました(*1)。結成当初のディキシー・マフィアは上意下達のとれた組織ではなく、強い結束力を持っていませんでした(*1)。当時の組織トップには、資金力に優れた者が就いていました(*1)。

 ディキシー・マフィアの構成員の出身国は多様でした(*1)。対照的な存在として挙げられるのがシチリア系マフィアでした。シチリア系マフィアはシチリア島出身者を構成員とし、強い結束力を有していました(*1)。当時は異なる出身国の者とコミュニケーションするには、労力や時間がかかったと考えられます。組織は統制上コミュニケーションコストを減らしたい傾向があります。シチリア系マフィアはコミュニケーションコストをおさえることができたので統制しやすく、ディキシー・マフィアはその逆だったと考えられます。

 昔のディキシー・マフィアにおいて、マイク・ギリッチ・ジュニアが組織内の重要人物として知られていました(*1)。ギリッチはクロアチア系の出自でした(*1)。ギリッチは経済的に成功しモーテル、ビンゴゲーム店、ナイトクラブなどのオーナーになりました(*1)。ギリッチのオーナーの施設は時に「ストリップ劇場」や「賭博場」としての営業も行っており(*1)、ギリッチが「アウトロー組織の力」を大いに利用していたことが分かります。

 またディキシー・マフィアにはジェフリー・カーターという幹部がいました(*1)。カーターは1981年時ルイジアナ州ニューオーリンズのバーでバーテンダーをしていました(*1)。1981年時のバーテンダー時代に、カーターはバリー・シールと知り合ったと見られています(*1)。バリー・シールは「麻薬密輸のパイロット」として有名で、コロンビアのメデジン・カルテルのコカインを密輸していました(*1)。1980年代はじめ、メデジン・カルテルは南米生産のコカインをフロリダ沿岸まで直接空輸していました(*2)。バリー・シールはルイジアナ州(ミシシッピ州の西隣)の州都・バトンルージュの出身でした(*1)。カーターが「バリー・シールの弟子」となりパイロットとして密輸ビジネスを行っていたと、当時の捜査機関は見ていました(*1)。

 2020年時のディキシー・マフィアにおいて「実質トップ」として見られているのが、カークシー・ニックス・ジュニアです(*1)。2020年時点、ニックスは終身刑により収監中です(*1)。

<引用・参考文献>

*1 『Dixieland Gangs & Disruptive Groups: Crime & Impact on the Southeast United States(English Edition) Kindle版』(Gabe Morales,2021,Amazon Services International)

*2 『メキシコ麻薬戦争 アメリカ大陸を引き裂く「犯罪者」たちの叛乱』(ヨアン・グリロ著、山本昭代訳、2014年、現代企画室), p94

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次