韓国の大麻事情

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 韓国では1960年代中頃から大麻が流通し始めました(*1)。主な消費者は在韓アメリカ軍兵士でした(*1)。当初はメキシコ産大麻が在韓アメリカ軍兵士に供給されていましたが、次第に韓国産大麻も供給されていきました(*1)。アメリカ軍が「大麻消費」を韓国に持ち込んだ格好です。

 韓国では大麻は「違法薬物」に指定されています(*1)。2019年3月韓国は部分的に医療大麻を合法化しました(*2)。内容は大麻由来の治療薬を合法化するというものであり、2019年3月以降も大麻自体の所持・使用は処罰の対象となっています(*2)。

<引用・参考文献>

*1 『アジア遊学260 アヘンからよむアジア史』「韓国芸能界の大麻問題」(権寧俊、2021年、勉誠出版), p190-191

*2 『世界大麻経済戦争』(矢部武、2021年、集英社新書), p198

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コメント

コメント一覧 (4件)

  • 鯉登太郎様、ご無沙汰しております、julyoneoneです。最近のヨーロッパ関係の記事は大変興味深く読ませていただいております。ヨーロッパは国ごとに事情が大きく違うので、その暗黒街の理解には、定期的に何かを書かれている方がいるのは助かります。この記事も、「韓国の大麻事情」という自分では考えた事すらなかったトピックについて知れてありがたいです。素晴らしい着目点だと思います。

    ところで、自分は最近「韓国ギャング史」という記事を書きました。
    https://julyoneone.wordpress.com/2023/02/09/韓国ギャング史/

    韓国暗黒街については日本語圏にもそこそこ情報があるので、「基本の日本語文献+少量の英語文献」に頼って書いたものです。詳しい方が見れば穴だらけだろうとは思いますが、ネット上に良質な参考文献を多く見つけられたおかげで、ある程度の信頼性のあるものは書けたのではないかと考えています。

    質問なのですが、鯉登太郎様は日本語もしくは英語書籍で「韓国組暴」を主題として扱った、もしくはある程度の分量を割いているものを御存知でしょうか? 自分は菅沼光弘 『ヤクザと妓生が作った大韓民国』や、国会図書館サイトで「韓国 暴力団」「韓国 ヤクザ」と検索して出てきたいくつかの短い雑誌記事しか見つけられなかったのですが、日韓の歴史を考えると、おそらくはこれ以上に詳しいものがあるのではないかと推測しております。もしそういったものを御存知でしたら、御教示いただけると大変ありがたいです。難しい質問かもしれませんが、どうかよろしくお願いいたします。

    • julyoneone様、ご無沙汰しております。お褒め頂きありがとうございます。励みになります。

      実は隣国の韓国は昔から興味があって、それこそ映画『猟奇的な彼女』(2000年代前半)を見た時から、韓国映画は一定見るようになって、近年のアウトロー組織系の映画もよく見ているので。韓国ギャングについては非常に興味を持っていました。

      なので韓国ギャングの記事、投稿された時に、すごいと思いました。僕の方からコメントしようと思ったほどでした(ヒップホップ関連の記事もいつも面白く読んでいます)。

      それでご質問の回答ですが、「ある程度の分量」となると、現時点で僕の方で紹介できるものはないです。

      ほんの少しの情報ですと、以下になります。

      ・『烈俠』(加茂田重政、2022年、彩図社),p192
      →山口組2次団体・加茂田組トップの加茂田重政は現役時代、韓国によく遊びにいき、七星会のボスと交流していた。

      ・『アウトローの世界史』(南塚信吾、1999年、NHKブックス),p211-215
      →1900~1906年に活動していた「活貧党」について(元は趙景達さんの研究)

      ・『山口組若頭暗殺事件 利権をめぐるウラ社会の暗闘劇』(木村勝美、2009年、文庫ぎんが堂),p183
      →山口組2次団体・中野会(中野太郎組長)の下部団体である山重組には、軍隊経験者の韓国人組員がいる。

      ・『興行界の顔役』(猪野健治、2004年、ちくま文庫), p475-476
      →戦前、岡山県出身の分島周次郎は満州に渡った後、大連に移り分島組を結成。後に分島周次郎は1915年(大正四年)にソウル(京城)に拠点を移し、京城劇場を経営するなど、勢力を拡大させた。また分島周次郎は、政治団体・大日本國粋会(1919年結成)の「朝鮮本部幹事長」に就いた。

      現時点では、以上となります。あんまりお役に立てなくて、すみません。

      ただ結局ハングル語の書籍等を訳すのが、一番詳細な情報が得られると思っています(julyoneone様も当然、分かってらっしゃることかと思いますが)。
      *DeepL(よく僕は利用しています)だと、ハングルに対応しています。ちなみに僕は有料版を使っています。

      さすがにいちからハングルを勉強するのは、時間や労力的に厳しく。なのでお金があれば、翻訳家の人に頼んで見るのも手かなと思っています(幸いハングル語の翻訳者は日本に一定数いいると思いますし)。

      今、僕は海外のアウトロー組織のことを調べていますが、今後長く付き合っていくテーマとしては、日本のヤクザ組織、そして英語圏のバイカーギャングの2つかなと現時点では思っています。ヤクザ組織に関しては、グローバルな視点で見ていくと、やはり韓国とのつながりが非常に重要になります。なので韓国のアウトロー組織の歴史は踏まえて置く必要があります。

      今は僕の語学力上、日本語文献と英語文献での情報収集になっていますが。何かしらの方法が見つかれば、韓国のことも調べていきたいなと思っています。地理的に近く、人や文化の交流が盛んなので。色々調べることにメリットはありますし。

      最後はすみません。僕の感想というか、思いを述べさせてもらいました。
      今後ともよろしくお願いします!!

  • 鯉登太郎様、御親切な回答をありがとうございます。「役に立たない」なんてとんでもないです。貴重な情報をいただき感謝します。

    やはり韓国組暴は日本の実話ジャーナリストの方々にとっても、「近くて遠い世界」なのでしょうね。日本全国で韓国人暴力団員は数百人いいるかもしれないという話があるので、彼らも何らかの話は聞いているとは思いますが、文化・言語の違いが大きな障壁になって詳しく取材するのは難しいのでしょう。

    DeepLは自分もよく使っています。特に向こうのウィキ系サイトらしきnamu.wikiの「조직폭력배/역사」は非常に面白く読めました。ただ、やはりハングルを直接読めているわけではないので、参考文献としては不安に感じました。リンク先の記事を書く時には、朝鮮日報や東亜日報などの日本語サイトを「site:」で検索して得た情報に大いに助けられました。

    日韓は非常に似通った社会で、五稜会の韓国進出の事例のように犯罪手口が輸出されることもあるので、鯉登太郎様が「裏社会の資金獲得活動」に書かれているようなことは韓国の事情を想像する一助にさせていただいています。鈴木大介さんの本に「オレオレ詐欺は五稜会の再生だ」という記述があるのですが、韓国で五稜会の下働きをしていた人々のその後も気になるところです。

    バイカーギャングは歴史は比較的浅いですが、世界的な広がりはすごいものがあります。ヘルズ・エンジェルズなどカリフォルニアから遠く離れた日本や中東にまで支部を作るほどですから、調べ甲斐のある世界だと思います。

    鯉登太郎様の書かれているヤクザについての記事には、私を含め、多くの人間が助けられているだろうと思います。マイナーな団体だと検索しても鯉登太郎様の記事くらいしかまともなものが出てこないということがよくあるからです。おそらく右も左もわからないスマホ世代の若者ヤクザなども、このサイトを密かに見て勉強していたりするのではないか、と思ったりもします。素晴らしいサイトをありがとうございます。

    長文失礼いたしました。頑張ってください。記事を楽しみにさせていただきます。今後ともよろしくお願いいたします。

    • julyoneone様

      実話系ジャーナリストの方もそうですよね。
      出版社に予算がある時代だと、鈴木智彦さん(昔だと溝口敦さん)が「潜入韓国のヤクザ!!」とかで韓国取材してそうですけど。
      今は取材の予算もないので、難しいんでしょうね。

      ただその辺りを埋めていくのが、我々ブロガーの役割かなとも思ったりします。

      再び貴重な情報ありがとうございます。
      検索方法等、色々と教えられています。

      こちらこそ今後ともよろしくお願いします。

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