北欧デンマークの首都・コペンハーゲンに「クリスチャニア」(Christiania)というエリアがあります(*1)。クリスチャニアは軍用基地の跡地でした(*1)。1970年代ヒッピーや不法占拠者がクリスチャニアを乗っ取りました(*1)。ヒッピーや不法占拠者はクリスチャニアにおける「自治」を宣言、税金や公共料金の支払いを拒否しました(*1)。以後「クリスチャニアの自治」は2005年まで続きました(*1)。
1970年代以降のクリスチャニアではマリファナ、ハッシュ(ペースト状のマリファナ)が販売されていました(*1)。デンマークは2022年現在までマリファナ、ハッシュを「違法薬物」としています。おそらくデンマーク政府は「自治」を貫くクリスチャニアに関しては「黙認」していたのだと考えられます。クリスチャニアのマリファナ、ハッシュビジネスに関与していた地元のバイカーギャングとしては「Bullshit」があります(*1)。
1970年代末のコペンハーゲンの違法薬物市場においてBullshitは多量の違法薬物を取り扱っていました(*1)。コペンハーゲンの中でもクリスチャニアは「最も利益の見込めるエリア」であり、当時Bullshitがクリスチャニアをおさえていました(*1)。
Bullshitは1980年、当時進出してきたアメリカ系のヘルズ・エンジェルスの加盟を断りました(*1)。結果、Bullshitとヘルズ・エンジェルスは抗争に至りました(*1)。抗争の結果、Bullshit側が大量の死者を出し、ヘルズ・エンジェルス側が勝利しました(*1)。両者が抗争に至った背景には、違法薬物利権を巡る角逐もあったと考えられます。
図 コペンハーゲンのクリスチャニアの地図(出典:Googleマップ)
<引用・参考文献>
*1 『Angels of Death: Inside the Bikers’ Global Crime Empire』(William Marsden&Julian Sher,2007,Hodder & Stoughton), p239-241
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