アメリカ合衆国政府は1914年ハリソン麻薬法を制定しました(*1)。ハリソン麻薬法によりヘロインは規制対象となり、ヘロインの販売や所持に制限がかかりました(*1)。製造面では1924年以降のヘロイン製造は「違法行為」となりました(*1)。1924年以降のアメリカ合衆国においてヘロインは完全に「違法薬物」となったのでした。
ヘロインは元々「ジアセチルモルヒネ」という物質です(*2)。ジアセチルモルヒネは1875年開発されました(*2)。1898年ドイツのバイエル社はジアセチルモルヒネを喘息、気管支炎、結核治療での鎮静作用のある医薬品として売り出しました(*1) (*2)。医薬品名が「ヘロイン」でした(*1) (*2)。
日本でも現在ヘロインは「麻薬および向精神薬取締法」により違法薬物となっています(*3) (*4)。ヘロインの摂取方法としては、主に吸煙や静脈注射が知られていました(*5)。また2000年代のアメリカ合衆国では、皮下注射や鼻からの吸引でヘロインを摂取する事例も見られました(*6)。
<引用・参考文献>
*1 『DOPESICK アメリカを蝕むオピオイド危機』(ベス・メイシー著、神保哲生訳、2020年、光文社), p39-42
*2 『日中アヘン戦争』(江口圭一、2018年、岩波新書), p20-21
*3 『アジア遊学260 アヘンからよむアジア史』(内田知行、2021年、勉誠出版), p6
*4 『マトリ 厚労省麻薬取締官』(瀬戸晴海、2020年、新潮新書), p106
*5 『中国「黒社会」の掟-チャイナマフィア』(溝口敦、2006年、講談社+α文庫), p190,270
*6 『DOPESICK アメリカを蝕むオピオイド危機』, p150-153
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