バイカーギャング構成員志願者の採否

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 バイカーギャングの構成員は「パッチホルダーズ」(Patchholders)、準構成員は「プロスペクツ」(Prospects)と呼ばれます(*1)。バイカーギャングにおける準構成員とは、「構成員候補者」の位置づけです。オーストラリアのバイカーギャング業界では準構成員(プロスペクツ)に該当する者は「ノミニー」(nominee)と呼ばれました(*2)。nomineeとは日本語で「候補者」を意味します。

 準構成員には投票権、会議の出席権が付与されません(*1) (*3)。ただし準構成員はクラブの集団走行には参加できました(*3)。集団走行には他支部の構成員も加わっており、準構成員は他支部構成員とつながりを持つことができました(*3)。いわば準構成員にとって集団走行は「顔を覚えてもらう機会」だったのです。

 構成員志願者の採否は「構成員投票」で決定されました(*3)。構成員投票では、構成員が選挙人(投票権を有する人)となりました(*3)。クラブによって「構成員投票」の中身は異なりました(*3)。オーストラリアの「ヘルズ・エンジェルス」(Hell’s Angels)、ジプシー・ジョーカーズ(Gypsy Jokers)における志願者の採否は全国執行部による投票で決定され、また採用に至るには満場一致(反対票が1つもない)が求められました(*3)。

 他のクラブでは志願者の採否は、州内の構成員(小さいクラブであれば支部内構成員)投票で決定されました(*3)。採用可に至るには、総投票数の半数以上の賛成票数が求められました(*3)。賛成票数が半数未満で採用を見送られたとしても、該当者は約半年後に再び「採用試験」に臨むことができました(*3)。

 またクラブによっては「構成員としての適性」を見る為に、準構成員に殺人を命じるクラブもありました(*4)。殺害対象は「クラブ側により指定された人物」でした(*4)。殺害の遂行を確認する為に、「見届け人」が付けられました(*4)。

<引用・参考文献>

*1 『Biker Gangs and Transnational Organized Crime Second Edition』(Thomas Barker,2014,Routledge), p99

*2 『The Brotherhoods: Inside the Outlaw Motorcycle Clubs』(Arthur Veno,2012,Allen & Unwin), p48

*3 『The Brotherhoods: Inside the Outlaw Motorcycle Clubs』, p50

*4 『Biker Gangs and Transnational Organized Crime Second Edition』, p80

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