ヘルズ・エンジェルス(Hell’s Angels)、バンディドス(Bandidos)、アウトローズ(Outlaws)、ペイガンズ(Pagans)、サンズ・オブ・サイレンス(Sons of Silence)は、アメリカ合衆国の「五大バイカーギャング」として知られています(*1)。
アメリカ合衆国内において五大バイカーギャングの活動範囲はどのようになっているのでしょうか。アメリカ合衆国は大別すると「4地域」に分けられます。4地域とは「北東部」「中西部」「南部」「西部」です。さらに地域は「9地区」に分けられます。北東部は「ニューイングランド」「大西洋岸中部」、中西部は「東北中部」「西北中部」、南部は「大西洋側南部」「東南中部」「西南中部」、西部は「ロッキー山脈地帯」「太平洋側」の地区を抱えます。
「北東部地域の大西洋岸中部」における五大バイカーギャングの活動状況を見てみましょう。cを構成するのは「ニューヨーク州」「ニュージャージー州」「ペンシルベニア州」の3州です。
図 大西洋岸中部付近の地図(出典:Googleマップ)
トーマス・バーカーがIOMGIA(International Outlaw Motorcycle Gang Investigators Association)の2010年情報を基に作成した資料によれば、2010年時ニューヨーク州には22団体が活動、五大バイカーギャングではヘルズ・エンジェルスとアウトローズの2団体が活動していました(*2)。次にニュージャージー州では6団体が活動、五大バイカーギャングではヘルズ・エンジェルスのみが活動していました(*2)。最後のペンシルベニア州では11団体が活動、五大バイカーギャングではアウトローズ、ペイガンズ、ヘルズ・エンジェルス(休止中)が活動していました(*2)。ペンシルベニア州では五大バイカーギャングのうち実質2団体が活動していたといえます。
ちなみにIOMGIA(1974年設立)とは、バイカーズギャング専門の警察組織のことです(*3)。
2010年時大西洋岸中部内ではヘルズ・エンジェルスとアウトローズが2州、ペイガンズが1州で活動していました。またバンディドスとサンズ・オブ・サイレンスは大西洋岸中部内では活動していませんでした。
2010年時大西洋岸中部における五大バイカーギャングの活動状況は、組織によって偏りがあることが分かります。
<引用・参考文献>
*1 『Biker Gangs and Transnational Organized Crime Second Edition』(Thomas Barker,2014,Routledge), p103-104
*2 『Biker Gangs and Transnational Organized Crime Second Edition』,p62-64
*3 『Biker Gangs and Transnational Organized Crime Second Edition』,p54
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