オーストラリアの北部準州(Northern Territory)においてもバイカーギャングは活動してきました。北部準州の主要都市はダーウィン(州都)、アリススプリングズ等です。
北部準州警察は「モーリー作戦(Operation Morley)」により、アメリカ合衆国系バイカーギャング「モンゴルズ」(Mongols)のオーストラリア全国部門トップ(national president)のニック・フォーブス(Nick Forbes)を昨年(2022年)10月にダーウィンで逮捕しました(*1)。
また北部準州警察はモンゴルズ・ダーウィン支部の支部長(president)、副支部長(vice president)、衛視長(sergeant-at-arms)も逮捕しました(*1)
モンゴルズがダーウィンでメタンフェタミン(覚醒剤の一種)を供給し、流通させている疑いのもと、北部準州警察は2021年9月からモンゴルズを調べていました(*1)。
オーストラリアでは各違法薬物の推定使用量を調べる為に、廃水薬物検査が実施されています。具体的には「1日における千人当たりの推定使用量」という形で、各違法薬物の推定使用量は表記されています。
2022年8月実施の廃水薬物検査では、北部準州の「1日における千人当たりのメタンフェタミンの推定使用量」は主要都市部と地方部ともに300~600mgでした(*2)。全国平均のメタンフェタミンの推定使用量は主要都市部と地方部ともに900mgぐらいでした(*2)。全国平均に比し、北部準州ではメタンフェタミンの供給量は多くなく、または需要は高くなかったと考えられます。
*推定使用量はバブルチャートで表記されている為、筆者(鯉登太郎)の目視で推定量を決定しました。
一方、同検査において北部準州が主要都市部と地方部ともに、全国平均より上回っていたのが、違法薬物ではないですが、ニコチン(Nicotine)とアルコール(Alcohol)でした(*3)。
<引用・参考文献>
*1 ABC NEWSサイト「NT Police say Mongols bikie gang leadership ‘destroyed’ following arrests」(Isabella Tolhurst,2023年3月31日)
*2 オーストラリア犯罪情報委員会サイト内「全国廃水薬物モニタリングプログラム第18報」(2023),p36
https://www.acic.gov.au/sites/default/files/2023-03/NWDMP%20Report%2018_1.PDF
*3 オーストラリア犯罪情報委員会サイト内「全国廃水薬物モニタリングプログラム第18報」(2023),p32
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