刑務所ギャング「メキシクルス」(Mexicles)は1987年テキサス州のコフィールド州立刑務所で、メキシコ生まれのホセ・“エル・マエストロ”・マルケス(José “El Maestro” Márquez)によって結成されました(*1)。メキシクルスはヒスパニック系服役囚で構成されていました(*1)。後にメキシクルスはストリートギャングにもなりました(*2)。
1994年メキシクルスは「テキサス・シンジケート」(Texas Syndicate)に対抗する為、「バリオ・アステカ」(Barrio Azteca)と同盟を結びました(*1)。テキサス・シンジケートは刑務所ギャングで、カリフォルニア州を発祥とし、後にテキサス州に進出していきました(*3)。バリオ・アステカも刑務所ギャングで、1986年テキサス州エル・パソの刑務所で結成されました(*4)。
2008年以降の「シナロア・カルテル」(Sinaloa Cartel)のシウダー・フアレス(チワワ州)侵攻において(*4)、メキシクルスはシナロア・カルテル側につきました(*2)。加えてストリートギャングの「アーティスタス・アセシノス」(Artistas Asesinos)もシナロア・カルテル側につきました(*1) (*4)。他方、先述のバリオ・アステカは「フアレス・カルテル」(Juárez Cartel)側につきました(*4)。2008年以降シナロア・カルテルの侵攻に対しては、フアレス・カルテルが迎え撃ちました(*4)。
アーティスタス・アセシノスは2000年代前半、シウダー・フアレスのグラフィティ・クルーとして誕生しました(*5)。後にアーティスタス・アセシノスは暴力的な組織に変貌していきました(*5)。アーティスタス・アセシノスは別名「ドブレA」(Doble A)もしくは「AA」と呼ばれていました(*5)。
2015年5月チワワ州警察は、アーティスタス・アセシノス首領のウバルド・アレハンドロ・グスマン・バケラ(Ubaldo Alejandro Guzman Vaquera)を逮捕しました(*6)。容疑の1つとしては、結晶性メタンフェタミンの販売がありました(*6)。ウバルド・アレハンドロ・グスマン・バケラ率いる密売チームは、シウダー・フアレスからメキシコ内陸部に行くトラック運転手向けに、結晶性メタンフェタミンを密売していたと、警察は疑っていました(*6)。
<引用・参考文献>
*1 『Mexican Cartels: An Encyclopedia of Mexico’s Crime and Drug Wars』(David F. Marley,2019,Abc-Clio Inc), p198
*2 El Paso Timesサイト「Mexico drug cartel violence flares as Mexicles, Gente Nueva war rattles Valley of Juárez」(Daniel Borunda,2019年6月19日)
*3『Texas Gang Threat Assessment 2017』(Texas Department of Public Safety,2017年7月),p43
https://www.ogia.us/sites/ogia/uploads/TxGangThreatAssessment201707.pdf
*4『Mexican Cartels: An Encyclopedia of Mexico’s Crime and Drug Wars』, p196-197
*5 El Paso Timesサイト「Gang videos: Artistas Asesinos threaten Mexicles amid violence in Juárez, Mexico」(Daniel Borunda,2018年8月28日)
*6 El Paso Timesサイト「Suspected Artistas Asesinos gang leader arrested in killings, highway meth dealing, Chihuahua officials say」(Daniel Borunda,2015年5月29日)
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