日本の医療機関は保険診療を行うと、診療報酬を受け取ることができます(*1)。診療報酬は原則「患者の自己負担(3割)」と「公的保険の支払い(7割)」で構成されています(*1)。
自己負担分(診療報酬の3割)は、診療後、医療機関の受付にて支払われます。一方、公的保険支払い分(診療報酬の7割)は、レセプトチェック等の終了後、約50日後に医療機関の指定口座に入金されました(*1)。
「自己負担分の診療報酬の入金」は即日であるのに対し、「公的保険支払い分の診療報酬の入金」は約50日後であることから、「入金までの期間」に差があることが分かります。
ちなみに医療機関にとって「公的保険支払い分の診療報酬」は、入金されるまでは「債権」扱いとなります。
医療機関では運転資金確保等の為、診療報酬債権(公的保険支払い分)の前倒し現金化需要がありました(*1)。
そこで医療機関が診療報酬債権を一定の割引率で第三者に譲渡することで現金を得て、その第三者が後に公的保険の支払いを受けるという仕組みが形成されました(*1)。
割引分が「第三者の収益」になります(*1)。第三者は資産担保証券を投資家に発行するなどして、資金(診療報酬債権の購入資金)を調達していました(*1)。
<引用・参考文献>
*1 『リーマンの牢獄』(齋藤栄功著、阿部重夫監修、2024年、講談社), p107-108
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