株式投資において、資金の多さや有益な情報を与えてくれる人脈は有利に働きます。とはいえ、多くの人々はお金も人脈に乏しいのが実態です。しかし、頭を使うことはできます。現在低い株価に位置しているものの、将来上ることが予想される株式に投資します。予想通り投資した株式の価格が上がれば、儲けを手にできるのが株式投資です。投資材料となる業績や業界環境、経済情勢などの情報は、ギャンブルに比べれば、確定的要素が多いです。日々の勉強が活きやすいです。頭を使うことは、平等性の高い行為です。誰にでも行えます。
『日刊ゲンダイ』2015年6月2日号(1日発行)の「今週の爆騰株」というコーナーで、カリスマ個人投資家の新田ヒカル氏が沖縄流通最大手のサンエーを推しています。サンエーは、沖縄県内でスーパーから大型ショッピングモールまでの幅広い小売業を展開している企業です。2006年に東証一部に上場しています。新田氏がサンエーを推すに至った理由は、興味深いです。まず新田氏は、大阪のテーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)」が9月に再上場することを着目します。次に、「ハリー・ポッター」のアトラクション施設で順調なUSJが再上場する目的を考えます。上場とは、株式を市場で売り出すことです。上場する側にとって、資金調達を意味しています。
次に、再上場によってUSJが得る資金の使い道について考えていきます。USJは以前沖縄にテーマパーク建設を検討していました。USJが再度沖縄にテーマパークを建設すると、新田氏は予想します。USJができることで、沖縄に観光客が増え、沖縄の小売業に好影響を与えます。つまり「USJ再上場→USJの資金の使い道→沖縄県にUSJができる→沖縄の観光客増加→サンエーの売上増加→サンエーの株価上昇」の流れです。新田氏は記事の最後で「投資は連想ゲームだ。知識と想像力を組み合わせて、USJの再上場を起点に、沖縄の小売業まで連想できるかどうかだ。」と述べている。
USJとサンエーの2社を結ぶ線は、簡単には、見えてきません。しかし、じっくり考えれば、線を結ぶことができます。考え方に希少性があれば、他人が参加していない分、儲けは多くなります。株式投資に限らず、じっくり考えることは、お金や人脈がない人の武器になるはずです。
コメント