東芝社債

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 不適切会計処理で市場から問題視されている東芝が15日に東証から特設注意市場銘柄に指定されることが、14日明らかになりました。問題が発覚した5月以降、500円台に届きそうにいた東芝の株価は下落し続けています。14日の終値は314.8円となっています。

*今回記事を作成するにあたり『日刊ゲンダイ』2015年9月12日号(11日発行)「プロはここを見る 経済ニュースの核心」(小林佳樹)の情報を参考にさせて頂きました。

 今後も東芝の株価の動向は予断を許しません。一方『日刊ゲンダイ』2015年9月12日号(11日発行)「プロはここを見る 経済ニュースの核心」(小林佳樹)によれば、冴えない株価とは対照的に、現在東芝の社債が注目を浴びています。社債とは企業が投資家に行う借金の1種です。例えば、東芝は2014年 7月25日に「第60回無担保社債」を発行しています。総額300億円の社債を投資家に買ってもらい、4年後の2018年7月25日に東芝が投資家に300億円を返済する仕組みの社債です。もちろん投資家にとって不可欠な利率もあります。年0.40%で、50万円分の社債を購入した投資家は1年に2000円の利子を得ることができます。4年間で8000円の利子となります。

 社債の特長は、期日の償還日に「戻ってくる金額」が確定していることです。つまり50万円分の社債を購入したら、期日には「50万円」が返済されることが大方読めるのです。特に東芝のような大企業であれば、社債が返済されない確率は低いです。一方、株の場合は、未来のある日に「売れる金顎」を確定することは難しいです。株は「借金」ではなく「出資」である為、社債とは異なる性格を有します。株は不確定要素が多いです。東芝の社債は現在3700億円発行されており、社債市場に流通しています。しかし不適切会計処理問題で、東芝の社債は格付け機関から格下げの指定に遭う可能性が高いです。投資機関によっては、「格下げになった社債」を売る決まりになっているところもあります。その流れから、東芝の社債は現在売られて、社債市場において東芝の社債は安くなっています。

 返済金額が確定している社債で儲ける為には、安く購入することが重要です。期日に「50万円」返済される社債が、社債市場において40万円で購入できるのであれば、10万円儲けることができます。東芝の社債は今そういう状況下にあります。夕刊紙に掲載された時点で、海千山千の投資家達はすでに先回りしています。一般人がこの動きに付いていくのは危険です。しかし大企業の不祥事において、該当企業の株と社債の価格は下がるものの、社債に至っては運用の機会になりうるということです。もちろん社債が返済できない、つまり企業自体が潰れないことが大前提にはなります。

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