6月26日の時事通信によれば、司忍組長のボディガードを長年務める原田茂夫(弘道会)が、暴力団の構成員であることを隠し預金口座を開設した詐欺の疑いで26日までに逮捕されました。記事では、本名の後藤茂夫となっています。警察当局の目的は、当然詐欺による逮捕ではありません。原田茂夫は弘道会の若中(わかなか)で、抱える組織はなく、いわゆる「1人親方」です(*1)。山口組全体から見ると「3次団体トップ」に位置する地位であり、高く評価されていることが分かります。地位の高さ、加えて司忍組長のボディガードを長年務めている実績から、恐らく原田茂夫のボディガードとしての力量は相当高いことが推測されます。武術にも長けているはずです。
活動を始めたと噂される弘道会ヒットマン部隊に対して、指揮はしていないにせよ、養成面などで関わりがあると警察当局が読んだ可能性があります。つまり今回の逮捕の狙いは、弘道会ヒットマン部隊の実情を探ることでしょう。しかし原田茂夫にとっては、目立つ存在であることは承知で、決して口を割ることはないでしょう。警察当局としても、逮捕しやすい人物をとりあえず逮捕してみたということでしょう。
このニュースから、警察当局が弘道会ヒットマン部隊に対して実情を知ろうとしていること、裏返せば弘道会ヒットマン部隊の実情を現時点で多く知り得ていないことが浮き上がってきます。
<引用・参考文献>
*1 『週刊実話』2016年6月16日号35P
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