違法薬物の種類は多岐に渡りますが、規制する法律も単一ではなく複数あります。日本では「麻薬及び向精神薬取締法」「覚醒剤取締法」「大麻取締法」「あへん法」「医療品医療機器法」「毒物及び劇物取締法」の法律の下に、違法薬物が規制されています(*1)。各法律が対象としているのは以下の薬物です(*1)。
【麻薬及び向精神薬取締法】
・麻薬:モルヒネ、ヘロイン、コカイン等
・合成麻薬:MDMA、LSD等
・麻薬原料植物:コカ、マジックマッシュルーム等
・向精神薬:メチルフェニデート(リタリン)、睡眠薬等
*メチルフェニデート(リタリン)、睡眠薬は「不適正使用」に限り規制
【覚醒剤取締法】
・覚醒剤:アンフェタミン、メタンフェタミン
・覚醒剤原料:エフェドリン、フェニル酢酸等
【大麻取締法】
・大麻草、大麻製品(大麻樹脂を含む)
【あへん法】
・けし、あへん
【医療品医療機器法】
・[指定薬物]亜硝酸イソブチル等
【毒物及び劇物取締法】
・トルエン、シンナー等
あへん、モルヒネ、ヘロインの原料は、3つとも植物のケシを由来としています。しかし、あへんは「あへん法」、モルヒネとヘロインは「麻薬及び向精神薬取締法」によって規制されています。同じ原料であったとしても、規制する法律が同じという訳ではありません。
<引用・参考文献>
*1 『薬物乱用の現状と対策』(厚生労働省 医薬・生活衛生局 監視指導・麻薬対策課、2015年11月), p1-2
https://www.mhlw.go.jp/bunya/iyakuhin/yakubuturanyou/dl/pamphlet_04.pdf
コメント