なぜ織田絆誠は先頭車に乗っていたのか

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 9月12日午前10時頃、神戸市長田区で起きた任侠山口組トップ織田絆誠の襲撃事件において、織田絆誠は3台編成の先頭車に乗っていました(*1)。通常、抗争中のヤクザ組織トップを護送する場合、3台の乗用車で護送します。3台が車列を組み、トップを乗せる高級車を真ん中として、先導警戒車と後方警戒車がその間を挟みます(*2)。

 9月12日事件が起きる直前、現場付近の自宅から出た織田絆誠の一行も、抗争用の車列を組んでいました。先頭車は白いワンボックスカー、真ん中は黒い乗用車、その後方もまた白いワンボックスカーの編成でした(*1)。しかし織田絆誠は、本来乗っていると考えられる黒い乗用車ではなく、先頭車の白いワンボックスカーに乗っていました(*1)。

 恐らく、「真ん中の乗用車」を狙ってくるヒットマンを欺く為に、真ん中の乗用車を外して、先頭車にあえて織田絆誠は乗っていたと考えられます。今回の襲撃事件で、射殺された任侠山口組の組員は、真ん中の黒い乗用車に乗っていました(*1)。襲撃グループの攻撃方向が、真ん中の黒い乗用車に偏っていた為、任侠山口組の組員は銃弾を受けた可能性があります。

 もちろん襲撃グループも、事前の下調べで「織田絆誠があえて先頭車に乗っている」という情報を得ていたかもしれません。襲撃グループは自身の乗用車を先頭車にぶつけてから、襲撃を開始しています(*1)。先頭車にぶつけた所に、襲撃犯も「織田絆誠があえて先頭車に乗っている」ことを知っていたことを窺わせます。

<引用・参考文献>

*1 『週刊ポスト』2017年9月29日号「「次は“頭”を狙うしかない」“3つの山口組”本格抗争へ!」(鈴木智彦), p153-155

*2 R-ZONE 「山口組実録シリーズ 「菱の血判」書籍刊行記念 ~ふたつの山口組、再融合が始まっている!~」(取材/文 藤原良)

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