小競り合いの勝敗を決するのは

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 死者1名を引き起した任侠山口組トップ織田絆誠襲撃事件の余波が続いています。警察当局は神戸山口組の山健組組員の犯行と見なしており、神戸山口組と任侠山口組の対立が激しくなっています。しかし従来の抗争のように、拳銃使用による幹部殺害の報復合戦は考えにくいです。恐らく小競り合いという方式で、両陣営争うことが予想されます。山口組は元々、小競り合いの戦いを得意としています。小競り合いにおいては、動員力の高さが物を言います。

 かつて東京で山口組組員が関東ヤクザ組織の組員と揉めた際、数分で山口組側は30~40人の組員を集めた一方、関東ヤクザ組織側は数人しか集められなかったという話があります(*2)。山口組における動員力の高さの要因として、迅速な連絡を可能とするネットワークの確立に加えて(*2)、組員の多さも挙げられます。小競り合いの勝敗を決するのは、数となれば、自ずと両陣営組織人員を増員していきます。

 増員の候補者層の1つとして、他団体の破門者や絶縁者が挙げられます。再度ヤクザ組織入りを望む他団体の破門者や絶縁者にとって、経済的負担の軽重も、組織選びにおいて重要なポイントとなります。発足時から任侠山口組側は月会費の安さを訴えています。対抗して、神戸山口側も経済的負担を下げているかもしれません。

<引用・参考文献>

*1 『週刊実話』2017年10月5日号, p32-37

*2 『洋泉社MOOK・山口組・東京戦争』(有限会社創雄社編、2005年、洋泉社), p45

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