稲川会の新理事長

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 2019年3月10日、横浜市の稲川会館にて稲川会の定例会があり、トップ交代の人事が発表されました(*1)。現会長の清田次郎は総裁に就き、新会長に理事長の内堀和也(山川一家総長)が就任します(*1)。2017年時点、稲川会は約2,300人の構成員を抱え、1都1道16県を範囲に活動していました(*2)。山口組、住吉会に次ぐ規模の広域団体に位置付けられています。

 現会長の清田次郎は2010年、稲川会トップの会長職に就任しました(*3)。清田次郎は山川一家(神奈川県川崎市)の出身で、1992(*4)~2008年まで山川一家総長を務めていました(*3)。同年(2008年)、内堀和也(山川一家若頭)が清田次郎から山川一家総長を引き継ぎました(*3)。内堀和也は続けて、2010年清田次郎の稲川会会長就任に伴い、稲川会理事長に就任しました(*3)。稲川会において理事長は「組織内ナンバー2」の役職を意味します。2008年までの清田次郎と内堀和也は、2次団体・山川一家内でのトップ(総長)とナンバー2(若頭)の関係でした。2010年からの2人は、1次団体・稲川会内でのトップ(会長)とナンバー2(理事長)の関係になりました。2次団体・山川一家トップとナンバー2の関係が、1次団体・稲川会に適用された形です。2005年山口組トップ交代においても、2次団体・弘道会トップ(司忍会長)とナンバー2(髙山清司若頭)が、山口組トップ(組長)とナンバー2(若頭)に就きました(*5)。清田次郎と内堀和也は、2010年開始の清田会長体制において、2005年の弘道会の方法を模倣した可能性があります。

 新体制の稲川会において注目されるのが新理事長の人事です。前の角田吉男会長体制(2006~2010年)において、清田次郎も理事長を務めていました(*3)。稲川会において理事長は「現トップの後継者」の意味合いを持っています。考えられる展開として、内堀和也が「山川一家ナンバー2」を理事長に引き上げることがあります。現在の山川一家若頭は小林稔です。稲川会執行部で慶弔委員長を務める池田龍治は、2015年2次団体・小金井一家総長に就任しましたが、2015年以前は山川一家若頭を務めていました(*6)。2008年内堀和也の山川一家総長に伴い、池田龍治は山川一家若頭に就任しました(*6)。両名とも、内堀和也にとって信頼できる人物であると推測されます。

<引用・参考文献>

*1 『週刊実話』2019年3月28日号, p37

*2 警察庁「平成29年における 組織犯罪の情勢」, p34

*3 『実話時代』2014年8月号, p25-26

*4 『裏社会 闇の首領たち』(礒野正勝、2012年、文庫ぎんが堂), p140

*5 『別冊 実話時代 山口組分裂闘争完全保存版』(2016年10月号増刊), p63

*6 『実話時代』2016年2月号, p12-18

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