地上げ

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 1980年代後半のバブル期、ヤクザ組織の資金源の1つとなったのが「地上げ」でした(*1)。地上げとは、底地(借地権の土地)を転売する為に、借地権者に同意を得る作業でした(*1)。底地の転売には、底地の所有者だけではなく、借地権者の同意が必要でした(*1)。1つの底地に対し、多くの借地権者がおり、頑なに拒否を示す借地権者もいました。

 地上げでは、ヤクザ組織の構成員が実行部隊として活用されました(*1)。拒否する借地権者に対し、ヤクザ組織の部隊は威圧的な態度で交渉し、従わせました(*2)。時には、自宅へのダンプカー突入、放火などの危険な方法も用いられました(*2)。ヤクザ組織の「暴力装置」(暴力行使を躊躇しない構成員ら)が不動産業界で求められた時代でした。

 地上げが成功すれば、つまり全借地権者からの同意を得られたら、底地は更地にされました(*1)。更地は高値で転売されたからです(*1)。底地転売は、利幅の大きいビジネスでした。ヤクザ組織にとっても地上げは美味しい商売であったことが推測されます。

<引用・参考文献>

*1 『現代ヤクザのウラ知識』(溝口敦、1998年、宝島社文庫), p75-76

*2 『裏経済パクリの手口99』(日名子暁、1995年、かんき出版), p98-101

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