太平洋戦争終了後の尼崎市におけるヤクザ組織

 　太平洋戦争終了（1945年）後、兵庫県尼崎市において活動したヤクザ組織としては、笠谷組、清水組がありました(*1)。笠谷組は戦前から活動していました(*1)。一方、清水組は1945年以降伸張してきた組織でした(*1)。山口組2次団体も尼崎市で活動していました。

　1950年山口組2次団体・丸三組が結成されました(*2)。丸三組トップは、三代目山口組田岡一雄組長の舎弟・陳伝鋒でした(*1)。陳伝鋒は台湾出身で、1938年神戸に移住、中華料理店でコックをしていました(*2)。太平洋戦争終了後、陳伝鋒は密輸や新開地で六色ゲームを手掛け、資金を獲得しました(*2)。資金獲得後の陳伝鋒は、尼崎市に活動範囲を拡げ、尼崎市でパチンコ店（店名「丸三」）や中華料理店を開業しました(*2)。その後の1950年、陳伝鋒は山口組入りし、丸三組を結成しました(*2)。組織名は自身が経営するパチンコ店に由来したと考えられます。陳伝鋒は会社従業員を丸三組組員にしました(*2)。会社が「ヤクザ組織」に化した格好です。丸三組は1961年解散しました(*2)。

　十九組（山口組2次団体）も尼崎市で活動しました(*3)。十九組トップは田岡一雄の舎弟・松本国松でした(*3)。

＜引用・参考文献＞

*1 『山口組永続進化論』（猪野健治、2008年、だいわ文庫）, p92

*2 『撃滅 山口組VS一和会』（溝口敦、2014年、講談社＋α文庫）, p280

*3 『山口組の100年　完全データBOOK』（2014年、メディアックス）, p140-141