博徒組織間の協力

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 1964年2月から始まった「頂上作戦」(警察庁によるヤクザ組織の取締り強化作戦)(*1)の一環として、警察当局は違法賭博に関与した者を非現行で検挙し始めました(*2)。1964年以前、警察当局は違法賭博に関与した者を検挙する際、現行犯しか検挙できませんでした (*2)。非現行の検挙が可能になったことで、1964年以降の博徒組織は警察当局の介入を多く受け、賭博ビジネスで収益を上げづらくなっていきました(*2)。

 逆に言えば、1964年以前博徒組織にとって、賭博ビジネスは重要な収入源だったことが分かります。賭博ビジネスにおいて、博徒組織間の協力も重要でした。他組織の賭場開催日には、博徒組織の親分は「客」として参加しなければなりませんでした(*3)。金に窮していた場合でも、金の工面をして賭場に行くことが「博徒組織の親分」には求められていました(*3)。

 例えばA親分が金に窮した結果、B親分の賭場に行けなかったとします。後にA親分が賭場を開催した際、B親分には来てもらえない可能性があります。また他の親分連中も「A親分はB親分の賭場に行かなかった」という話を聞き、A親分の賭場に行かない可能性があります。当時の博徒業界において「相互扶助」(博徒組織間の相互協力)のシステムがあったと考えられます。

 また博徒組織の親分は「上客」を持っておく必要がありました(*3)。上客に該当するのは、社長や店主などの金持ちです(*3)。博徒組織も「サービス業」の側面を持っていたことが窺い知れます。

<引用・参考文献>

*1 『現代ヤクザ大事典』(実話時代編集部編、2007年、洋泉社), p168

*2 『ヤクザ大辞典』(山平重樹監修、週刊大衆編集部編・著、2002年、双葉文庫), p108-109

*3 『ヤクザの世界』(青山光二、2005年、ちくま文庫), p151-153

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