ボクシングのプロモートとヤクザ組織

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 ボクシングのプロモートを専門とした大日本興行株式会社は、ヤクザ組織が深く関与していました(*1)。大日本興行株式会社は1952年設立、東京日比谷に事務所を置いていました(*1)。大日本興行株式会社の設立者は、住吉一家浦上グループの高橋輝男でした(*2)。

 浦上グループのトップは、浦上信之でした(*2)。太平洋戦争が終了した1945年以降、浦上グループは東京銀座を資金獲得の場としました(*2)。浦上グループは、事業で起きる揉め事の解決を得意としました(*2)。

 1945年以降、高橋輝男(1923年生まれ)は浦上信之の舎弟となりました(*2) (*3)。高橋輝男は以後、銀座で貸植木業を行うなど、正業に進出していきました(*2)。ヤクザ組織が資源の「暴力装置」を正業の領域で用い、利益を得ていたと考えられます。高橋輝男は「企業舎弟」(フロント企業)(*4)を使うことに長けていたと考えられます。

 当時のボクシングのプロモートは、ヤクザ組織に関与されやすい事業であったことが推測されます。

<引用・参考文献>

*1 『伝説のヤクザ18人』(山平重樹、2018年、文庫ぎんが堂), p174-175

*2 『伝説のヤクザ18人』, p164-166

*3 『伝説のヤクザ18人』, p167

*4 『現代ヤクザ大事典』(実話時代編集部編、2007年、洋泉社), p180-181

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