ショバ割り以外の庭主の仕事

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 テキヤ業界において「庭主」とは、高市(縁日や祭り)における露店商売の「最高意思決定者」(もしくは最高指導者)を意味します(*1)。地元のテキヤ組織トップが庭主を務めます(*1)。庭主の権限として、「出店場所の割り振り」(通称:ショバ割り)があります(*1)。高市の露店商売において、出店場所は売上を左右します(*2)。

 一番良い出店場所は「ホンドバ」、最も悪い場所は「ガリ」と呼ばれ、前者は後者に比し数十倍の売上を得ます(*2)。「ショバ割りの権限」により庭主は、露店商の生殺与奪権を握っていると考えられます。庭主は別名「帳元」(*3)「世話人」(*1)とも呼ばれます。おそらく庭主は露店商から「出店料」を徴収していたと考えられます。

 ショバ割り以外に、庭主の果たす仕事の一つとして、電気工事の手配がありました(*4)。庭主は露店商に電気を使用させる為、近くの電線から電気を持ってくる工事等を手配する必要がありました(*4)。

<引用・参考文献>

*1『ヤクザに学ぶ 伸びる男 ダメなヤツ』(山平重樹、2008年、徳間文庫), p155-157

*2『ヤクザ大全 その知られざる実態』(山平重樹、1999年、幻冬舎アウトロー文庫), p57

*3『現代ヤクザ大事典』(実話時代編集部編、2007年、洋泉社), p51

*4『テキヤはどこからやってくるのか? 露店商いの近現代を辿る』(厚香苗、2014年、光文社新書), p90,161

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