依存症に陥りやすいオピオイド系鎮痛剤

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 近年のアメリカ社会では「オピオイド系鎮痛剤」過剰摂取による依存症者数及び死亡者数の増加が問題視されています(*1)。オピオイドとは化合物の一種で、ケシ(植物)などから採取されたアルカロイドを含んでいます(*1)。オピオイドには鎮痛や精神安定の効用がある一方、常習性が高いことでも知られており、使用者は依存症に陥りやすいです(*1)。

 オピオイド系鎮痛剤の医薬品としては「オキシコドン」「フェンタニル」「ぺチジン」等が知られています(*1)。オキシコドンは半化学合成物、フェンタニルは合成化合物です(*2)。

 アメリカではオピオイド系鎮痛剤は医療目的で使用されおり、「医師の処方箋」があればドラッグストアや薬局で購入可能です(*1)。アメリカでは薬の処方において「リフィル」という仕組みがあります(*3)。リフィルでは使用者は処方された薬を使い切った際、新規の処方箋を得ずとも、既存の処方箋で追加分を購入できます(*3)。当然既存の処方箋には「追加分の利用期限と回数」が記載されています(*3)。リフィルの問題点としては、使用者が余分な量まで手にしてしまうことが挙げられます(*3)。一部の使用者は余分のオピオイド系鎮痛剤を家族や友人に渡します(*3)。結果、治療対象者以外の人にもオピオイド系鎮痛剤が広がっていっています(*3)。

 オピオイド系鎮痛剤は、当初「医療用薬物」として誕生したものの、時を経て「嗜好用薬物」として悪用されていったのです。他の違法薬物も似た事例を辿っています。近年の日本では睡眠薬「ニメタゼパム」(商品名:エミリン)が嗜好用薬物として悪用されていました(*4)。エミリンは2015年11月に販売中止になりました(*4)。

<引用・参考文献>

*1 『週刊エコノミスト』2017年9月5日号「死亡者や依存症相次ぐオピオイド 米国の貧困層や子供の被害が拡大」(土方細秩子), p86-87

*2 『日刊ゲンダイ』2022年1月21日号(20日発行)「米眼科学会が「麻薬使用に関するベストプラクティス」を話題にした理由」, p13

*3 『週刊エコノミスト』2021年9月7日号「昨年は9.3万人が死亡 薬物過剰摂取生む意識」(峰尾洋一), p66

*4 『ルポ川崎』(磯部涼、2020年、サイゾー), p58

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